劇団離風霊船 山岸諒子の徒然をつづる雑感ノート 「ラ・ヴィータ・ローザ」です


by rosegardenbel
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2005年 08月 23日 ( 1 )

あかいとり

              *  *  *

昨日は『赤い鳥逃げた…2005』の稽古初日。

いよいよ12月15日の大千秋楽まで、ツアーを含めた赤い鳥の日々が始まる。
この芝居は、離風霊船にとって聖域と言える特別な作品。
赤い鳥に帰る。
いつもとは少し違うムードの中、
キャスティングの為の座内オーディションをする。

あれからもう20年が経ったのですね。
メンバ-の中でさえ、すでにあの御巣鷹山の事を知らない世代もいる。
それはそれでいいことなのだと思う。
時は、生きている今を支えてくれる、一番確かなものだから。
けれどあたしたちは、決して流し捨てることはない。

あの日、
郷里に帰る列車に乗ったあたしの真上に、あの飛行機はいた。
日航123便。
夕焼けに染まる大月上空であの飛行機が悲劇の迷走をしている時間に、
あたしは何も知らずその町を通過していた…。
それだけのこと、
なのかもしれない。
けれど、20年経っても、
あの痛みを忘れることはできない。

事故から5ヶ月、年が明けてすぐに、
『赤い鳥逃げた…』は初演の幕を上げた。
義憤に突き動かされていた。
あたしたちの持っている手段で、この理不尽を残したい、
ただそれだけだった。

一年目、三年目、七年目、十年目、十三年目…。
あたしたちはやり続けた。
人の不幸を金にする、どういうつもりだ、ふざけるな。
様々なバッシングも受けた。
でもあたしたちはやり続けてきた。
節目節目を、一緒に生きてきた。

そして、二十年目。

やり続けて来た本当の意味が、
今、はじめて生まれるのかもしれない。

『赤い鳥逃げた…』
離風霊船のスピリッツがここにある。
演劇人の端くれとしての誇りが、この中にある。
あたしたちは演じる者である。
そして、ただの一人の人として、この舞台に立つ。

赤い鳥の翼が手折れることは、決してない。

              *  *  *
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by rosegardenbel | 2005-08-23 18:28 | ラ・ヴィータ・ローザ