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劇団離風霊船 山岸諒子の徒然をつづる雑感ノート 「ラ・ヴィータ・ローザ」です


by rosegardenbel
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黒船がついた先

              *  *  *

千秋楽。
早い。
はじまってみれば、あの死闘はなんだったんだってぐらい、あっっっっ!
というまの終の日。

ここまでなんとか、無事にこれたけれどこの芝居、
油断した途端に思わぬアクシデントに見舞われることが多かったので、
最後の最後に大怪我、なんてことのないように、
この日はテント入りしてすぐ今更ながらの小道具メンテから。
持ち道具の本道は、役者さんの芝居に障らないことにあるのですから。

いんや~、ここまでにすでに竹みつ3本折ってますからね。
それも、殺陣で折れたならまだしも、フツーに立ってていきなりボロッ、
ええ、本番中、何の前触れもなく鞘と本身が落下です。
男たち危うく、束だけ握ってご満悦、
という間抜けな図をお見せしちまうところだったんですぜ。

千両箱も、最強接着剤を入れても入れても、
本番のたびに金具と装飾鋲がポロポロ落ちるし、
どーなってんだい、今回の借り道具はよぅ。

そんな点検を終えるとすぐ、あたしゃ髪結いです。
今回は贅沢なことに、ヘアメイクさんが毎日ついて下さって、
地毛で結うおりょうは、いの一番にやってもらうわけです。
下準備ふくめると3工程、時間もかかるです。

初演も地毛でしたけど、
今回はこんなにアーティスティックにデコラティブ♪
     
おいね先生に撮ってもらって、はじめて知りました。
あたしだけが見えてなかったわけだね(笑)
こりゃあお客さまみなさん驚くわけです、必ず言われましたもんね。

この日になって、また新たな事実も発覚。
ヘアメイクの直ちゃんとあたし、誕生日が一緒だった!
もちろん、あちらの方が全然お若いわけですが、しかも、
裏に置いとくにゃ勿体ないほどの、荻野目K子似の大美人なわけですが、
なーんか一緒にいて異様に和むなぁと思ってたら、
そーゆーワケだったのね~、納得しましたよ~。

本当に毎日ありがとうございました。
髪結いと衣装のおかげで、お客さまを騙しきることができました(笑)
直ちゃんとは、これからもおつき合いさせていただきたいナ♪

毎日といえば、黒船一座の音曲隊のみなさん、
これも本当におつかれさまでした。

和の音ってのは、イイもんですね~。
化粧前が三味線さんと隣り合わせだったので、あたしゃ毎日、
顔塗りながら特等席で、調弦の曲のい~い音色を聞かせてもらってました。
それで出前の焦りを鎮めてもらえた。

おりょう登場の「よさこい節」も、平日は津軽三味線の志穂ちゃん、
土日は長唄三味線の、守啓伊子さんとのジョイントでしたねぇ。
同じお三味でも、すいぶん音色が違うものです。
志穂ちゃんの音は演劇的で、役者としての芯を立てられる感じで、
守さんの艶っぽい響きからは自然に色町の風情をもらえて、
すんなり芸者になれました。

ちょっと、都々逸とか、
ほんとに和モノもレパートリーにしたくなっちゃった。
ジャズ、調子狂っちゃうかなぁ。
でも、仁さんじゃないけど、夏の間中ステージをこなしたおかげで、
今回の舞台のライブ感にまごつかなくて済んだと、思う。

ホンにないことなんて、めったにやらないタイプなんで、
甚太が太巻きを食べた日に、トコトコっと前に出てって、
落ちたキュウリのきれっ端を拾ってその口に押し込むなんて、
やった自分にびっくりでした。
お祭りシーンでも、セリフがない時ぁ私語しゃべってたし(こらーっ)

いや、なんだかね、許されるノリが、あそこにはあったんですよね。
その意味では、テント芝居をこの年でやれたことは、
大きかったかもしれませんね。
自分の限界も知ったし、
誰にどう思われようと貫かなきゃならない自分の筋ってものはあって、
それを守ることを人前に立つ価値に代える、というようなね。

わかりづらいね、ははは、まあこの辺はおいおい。
今回は、再会念願、初お目通り念願のお客さまとも多くお話できて、
それが何より嬉しかったです。
自分が死に物狂いにならなきゃ、何もはじまらない、
何も繋がらないんだよな。。。

毎度のことではあるけれど、
今回のこのあまりの死闘(何度も使うこの言葉)のおかげで、
それまで思い患っていた個人の悩みが、
なんだかバカみたいにちっぽけなものに、今、思えてる。
それがねえ、、、一番のお土産だったかもしれません。

もはや怖いものはない、振り返ったら真実が見えるようになってた、
うん、そんな感じかなぁ、
小さい自分抱えて、執着とか、解き放ってね、
まあアンタ、お好きにおやんなさいよ、
てな心持ちですね、自分に。


さてさて、ただ今乗組員から写真を集めております。
黒船あるばむ、作りますからねっ。
楽しみに待ってて下さいネ。

大勢さまのご乗船、誠にありがとうございました。

   ほんにおりょうは、あいらぶゆーですきに。。。

         


              *  *  *
by rosegardenbel | 2008-10-23 00:00 | ラ・ヴィータ・ローザ