劇団離風霊船 山岸諒子の徒然をつづる雑感ノート 「ラ・ヴィータ・ローザ」です


by rosegardenbel
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人魚姫をおもってしまった… 

               *  *  *


書こうか書くまいか、、、
知ってほしいけれど、何か不遜なものもみえそうで、
こわくて、、、
迷ったことだったんですけど、
寝て起きても、どうしても頭から離れないので、
文字に記すことにしました。

夕べ、芝居をみにいったのですね、
かつての相手役が出演している。

そこで、素晴らしい女優さんを見てしまったのです。

その方は、音のない世界に生きているひと。
ご自分の声も、なので、持っていないひと。

あたしと同じぐらいか、もう少し大人の女優さんで、
台詞は全編手話で語られるんですね。

でも、ホンが、かつての楽天団----岸田理生作品でしたから、
紡ぎだされる台詞の深さの中に、魂があるのですけれど、
その方は、
だれよりも雄弁に、その台詞たちを繰り出していらした。

魔法のようにうつくしい手と、腕と、そして、お顔で。

全身が言葉なんです。
気持ちなんです。
身体のすべてが、リズムであり、心の躍動であり、シーンそのもの。

それがとても分かりやすい。
とても伝わってくる。
心の襞まで、ぜんぶ。

まったく嘘がないからだと思います。

シンプルに、懸命に、
一番大事なことだけを、まっすぐ、相手にぶつける。

余計な修飾をつけてたら、伝わらないどころか誤解さえ呼びかねないから、
なのでしょうかね。

その顔は、千変万化で。
一瞬たりとも同じ表情がない。
いま動いている内側、そのものなんですよね。

本当に、心をそのまま取り出してみせてもらえた。。。

うつくしかったです。
とても、とてもチャーミングでした。
心の暗部やエロスも含めたすべてが、えも言えぬたおやかさに溢れていた。

そのひとに釘付けになりながら、
考えちゃいましたよね。

裸の心を相手にあげるって、とても、とても、勇気のいること。
だけどたぶん、このひとは、
ずーっとこうして生きてこられたんだろうな。

それが心を磨き上げてきたのか、逆に、
うつくしい心の持ち主だったから、発露も魅惑的なのか、
分からないけれど、
生きることに芯を持って、自分や世界やあらゆることの、
真実をみつめ続けてきたひとなのだなと。

だって、もっと伝えたい、分かりあいたいって、きっとずっと、
思ってこられただろうから。

本当を受け取って、本当を送る。
それだけ。
なんと雄々しく、勇敢な、シンプル。

でもそこにしか、分かりあうという出来事は生まれないのかもしれない。

そうして、言葉----いやちがうな、声音、
声で伝えるということの、罠、、、かな、伝わることを前提にしている罠、
をね、
思ってしまいましたよね。

贅沢、なんて言葉を使うこと自体傲慢なんですけど、
ぜんぜん、ぜ~んぜん、活かしてないじゃないか、あたし、それを、
と、
ね、
てかおまえ、逆ばっかりやってるじゃないかよとね、
思っちゃいましたよね。

日常もですけど、役者としても、ハンマーで頭なぐられた感じ。
いやほんとに。
マイったなぁ~。

不思議なことに、あたし、あの方の声を知っている気がして。
芝居のあいだ中、普通に、ずっと聞いてた気が、してるんですよね。

今ね、内側のきれいな人とお知り合いになりたくて、
このところ、そういう方ばかりにお会いできているので、
なおさらに、それを本物にしたくて、
そんなことばかり考えているのですけど。

なんとか、あの方とも、親しくお近づきになりたいなと思って、
赤坂に来てもらえればいいかな、なんて思って、
あ・・・

そうか・・・・・・

ちょっとショックだった。
あらためて気づいた愚かしさとともに、
事実って、冷厳だよな。。。

それに、

伝わらないや、今のままじゃ、ぜんぜん。

そうか、そうだね。
英語の歌をうたうのに、少しでも楽しんでもらいたくて、
朗読など、入れているのだけれど、
そこにもちろん価値はあると、揺るぎなく信じているのだけれど、
でも、
どこかで邪道な気がしていたのは、そういうことだったんだな。

あの方に届く歌。

あの方みたいな歌。

あたしは、、、一生忘れないな、あの、心のすべてを映していたお顔。
たぶん一曲に向かうたびに、あたしはあの方と向き合う、これから。
思い出すたびに、
伝える、ということの魂の在り処を、しめしてくれるんだと思う。


うまく、言葉にできなくて、書いた意味もなかったかもしれないけど、
はじめて、ずっと追いかけてみたい女優さんに出会えました。

もう一度お会いしたい。
いいえ、いつか必ず、あたしにも出会ってもらう。

その時は、あたしのことも知ってもらうんだ。
こんな風に、一方的にじゃなく。
そうして、自信を持ってお話できる自分でいられるように、
あたし、なるんだ。

演じ手。
歌い手。
言霊。
こころ。
生きること。

ぜんぶ一つ。

折しも今日は、楽天団の勉強会じゃぁありませんか。
読みですよ、読み。

うん、、、だから、
新しい声を、ね、発見できたらいいな。


               *  *  *
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by rosegardenbel | 2008-07-07 00:00 | ラ・ヴィータ・ローザ