劇団離風霊船 山岸諒子の徒然をつづる雑感ノート 「ラ・ヴィータ・ローザ」です


by rosegardenbel
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赤坂の白蘭  

               *  *  *

     

一夜あけて、、、

あの赤坂のステージは、
海のそこにも似た深くにあるような、
満天の星空のごとく近くにあるような、
奇妙にねじれた時空の中に、たゆたっている感じです。

にぎやかな、うす暗いお店。

テーブルをはさんで、ズラリと向かいあう影。
楽しげにゆれる、頭、背中、腕。
みんな、おさかな。

カウンターの中で、うごきつづける男性たち。
優雅にあやつられる、グラス、お皿、ナイフ。
みんな、おさかな。

眺めながらうたう、あたしも、おさかな。

そうして、
その夜の水槽の向こうがわに、天女のようにたたずむ、
おぼろな、白い影。。。

夕方、お店に入ったら、松川さんがほほえみながら、
「お花がとどいてますよ」

「え、あたしに?」
「はい。それが大きなお花で、冷蔵庫ぐらいの箱できたんですよ」
「えー、どれですか」

見たら、エントランスの高い棚に、それは見事な胡蝶蘭の鉢がありました。
三本の枝に、大きな純白の蝶々たちが、房になってとまっていました。

こんなスゴイものを贈ってくれる人なんて、すぐには思い当たらず……
「カードがついてますね」
「誰だろ……え、ユーコ?!」

オーストラリアに嫁にいった親友からでした。
やだぁ~、、、もお、、、
絶句です。
知っててくれたんだ、今日のこと。

この春からの忙しさにかまけて、メールもしていなければ、
自分で約束した『貴方と嘘……』のDVDを進呈することも、
脇においやっていたというのに。
そう、この芝居の本番リーフレット用の訳詞で手間をかけさせたので、
お礼にね、なんて言って。

昔から、こんなことをいきなりする人ではあったけど、
これはあまりにも高価すぎ。
超お金持ちだから、いいっちゃいいんですけど。(こらっ)

選んでくれた花が、ね、
この豪華さだったことに、
ユーコの“RYOKO”へのエールと、そして、願いを感じて、
もう、痛いほど、きました、
胸に。

……がんばらないとな、RYOKO。ありがとう、YUKO。

白蘭は、あたしのだいじな花でもあります。
薔薇とはちがうところで、ある意味、運命の扉をひらいてくれた花です。

その話、彼女にしたっけ。。。

定かではないまま、
意志にせよ偶然にせよ、今日のこの日にこの花に逢えたことが、
なにやら、不思議に、心を鎮めてくれました。

お花はそのまま、お店に置いてもらうようにお願いしました。
ユーコからRYOKOへのカードはつけたまま、
来週も、来月も、
ここへ戻ってくるたびに、あたしを迎えてくれるように。

「枯れさせないようにしないとですネ」
ゴメン松川さん、プレッシャーになっちゃった?(笑)

でも、ステージがない時でも、橋の下にきますよ。
お水をあげに。
あたしにも、匂いつきのお水をあたえに(笑)

嗚呼・・・赤坂。
ほんとにあたしの街になった気がする。

あたしのお花が、香っているのだもの。
夜ごと、しずかに。

ユーコ、来年の冬も帰国するかしら。
たまには帝国だけじゃなくて、外で呑もうよ。
赤坂、橋の下でさ。
だから早く知らせて!あんたってばもーほんとにいつも寸前なんだからっ。

その時は、芙蓉会のみんなも呼ぼう。
(笑)なつかしすぎる名前だけど。

高校時代をいっしょにすごした、7人の会。
何があっても一生ともだちでいようね、って誓った、よくある成り立ち。
一人が彼岸に旅立ってから、
いつのまにか、口にすることができなくなった名前・・・

呑も。
ヤツが呑み場に来ないわけないんだから。
マティーニ10杯を豪語してた女なんだから。
ぜったい、その時は一緒にいるって。

「あたし、、、新しい場所にきたから」

白い花を見ていたら、
なんだかワケもなく、誰にかもわからないまま、
そんな言葉が口をついていた。

いくよ。
どこまでも。
見ててね。

あー、写真とっとけばよかったっ。
もー、夢中でさぁ、そんな気の利いたことにいけなかったのよぉ。
撮る撮る、撮ってくるから。
載せるから。
待ったんさい、ユーコ!

               *  *  *
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by rosegardenbel | 2008-06-12 00:00 | ラ・ヴィータ・ローザ