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劇団離風霊船 山岸諒子の徒然をつづる雑感ノート 「ラ・ヴィータ・ローザ」です


by rosegardenbel
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雨上がりに咲く

               *  *  *
ブラックホールに、
吸い込まれていったメールたち… 


おかげさまで、救出されました!

知り合いのMacの達人をやっとつかまえることができ、
朝っぱらから叩き起こして緊急要請したところ、
削除済みアイテムの中に、無事全部、残ってました~!
よかったよぉーーー!

みなさんにご心配をおかけしてしまいました。
メールやコメントをくださったみなさま、本当にありがとうございました。
そして、、、すみません。
やっぱり感情のままをすぐ書くのはよくないですね。。。反省です。
あんまりショックで、つい。
やっぱり相当疲れてたんだと思います。

しかし、削除済みアイテムなんてフォルダー、
今までぜんっぜん、その存在すら目に入ってなかった、
開いたこともなかったわ。
ちゃんとガードがかかっていたんですね。
分かってみれば、しごく単純な顛末。
こらっ!って感じですよね。。。
本当に、大きなお騒がせをいたしました。m(_ _)m m(_ _)m m(_ _)m

なんか、いろいろ考えちゃいましたよ……。
ミクシーの方に、れいさんが心配してコメントを寄せて下さったのだけど、
(ご存知エクスタシーの翻訳家さんネ)
中で、
最近はメールへの思い入れみたいなものがなくなってきているけれど
始めた頃は、記録や思い出として残しておきたいと思っていた
というような部分があって、
この「残しておきたい」という言葉が、とても響きました。

そう、残しておきたいのね、あたしも。
これって、執着?ってこと?
今の、風のように身軽なれいさんの有り様を思うと、
自分の身重さが
----いやいや心の、ね、今回は身体的特徴でなく、って分かってるわい!
ええ、身重さが(笑)急に感じられてきて、
今まで見なかった角度から、自分というものを眺められた気がしました。

人はね、忘れられてしまう、ということが、
一番かなしいことなんですって。
誰が言ってたんだっけなぁ、なんかえらい哲学者とかだったかな。
うーん、そうかも、、、
とは、ずっと思ってきたことで。
今回の、貴方と嘘も、その辺がテーマになってたりもするんです。

そういえばこの前、池田さんが自分の役作りのことで、
とても印象深いことを言ってた。
 うん、、、忘れちゃうんだよ、どんどん
 大事なことがボヤけてきて、奈々子に子種を授けようとしたことも、
 忘れちゃうんだよ

奈々子というのはあたしの役名です。
これ聞いた時、あたしは思わず、えーっ?!ヤダよそんなの!
って、悲鳴を上げてました。
そんな大事な時間も忘れられちゃったら、、、
会わなかったと同じことじゃん、それって怖すぎる!
話だけだったのに、思いっきり実感しました。

池田さんて、、、
そこまで深くは書いていなかったのに、言われてはじめて、
ああ、確かにこの役はそんな解釈ができる、と思って、
読み取りの鋭さに、感服しちゃいましたけどね。
まあ、子種うんぬんもまったく書いてないことだったので、
その発想にも驚きましたけど。(笑)

残したい、っていうのは、
いずれ薄くなって、きっと忘れてしまうから、それが分かっているから、
なんでしょうかね。
人は、人の記憶の中でしか生きられないのかもしれない。
人に認めてもらって、はじめて自分を確認できるのかな。。。
手紙は、それが確かにあったことだと、思わせてくれるものだから、
自分が先に進んでいくための、杖みたいなものに、
あたしの場合はなっているのかもしれません。

ということは、、、
あたしはまだ、自分を自分だけで生きてはいないってことなのかな。
過去を形にして、安心して寄り掛かっている?
ま、別にそれが悪いことだとは思わないんですが、
なんであんなに惑乱したのか、
とにかくあの時は、
ゴトゴトと3000件のメールが消えていく音を聞きながら、
砂山が崩れていくような、自分の中に穴があいたような、
とても恐ろしい気持ちになったのでした。

メールの救出のしかたを教わりながら、裏腹に、
でも、これでなくしたままになっても、往還したそれらの便りは、
あたしの中で、逆に鮮明によみがえってきたりするのかもしれない、
なんて思っている自分もいました。
そうやって残ったものが、大事なもの、強烈だったものってことかな、
なんて。
でもやっぱり、すべてを空にする度胸は、あたしには、ない。(笑)

今日の画像は、そんなワケで朝顔だったのです。
つかのまの雨上がりに、重いしずくを受けながらなお咲く、朝の花。
ほんとに、明けない夜はない、そう教えてくれる花ですね。
そうして、美しく開く、そのことだけに懸命になって、
昼には忘れられてしまう花。。。

朝顔も、つまんない気がしてあんまり好きじゃなかったのにな、
なぜかヤケに惹かれているこのごろ。。。
大地の匂いをそのままもらって昇華したような、
何か、無垢な、健気なものに、
言いしれぬかわいさを覚えるようになりました。
ここは薔薇園なんだけどサ。(笑)

今日、久しぶりにステイシ-と話せた。
いただいた電話なのに、3時間近くも。
忘れられちゃったかなと、ちょっとせつなかったから、
本当に嬉しかった。

心を尽くす。
消えてしまうのは分かっていても。
結局は、それしかないんだよな。
そうして、それさえあれば、やっぱり消えることはないんだよな。
今さらながら、
人が生きるということは、心を刻むということなのですね。。。

そんなことを思った、今年の梅雨の干ぬ間。


               *  *  *
by rosegardenbel | 2007-07-10 00:00 | ラ・ヴィータ・ローザ