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劇団離風霊船 山岸諒子の徒然をつづる雑感ノート 「ラ・ヴィータ・ローザ」です


by rosegardenbel
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赤い鳥、翔んだ

              *  *  *

 
『赤い鳥逃げた…2005』終りました~。

シアグリに通った日々がはるか遠くのような、つい身近にあるような、
不思議な感覚ですねぇ、今は。
ツアー後半戦は、なんでよりによって今ぁ?!という記録的寒波に追われながら、
そんなもの凌駕してあまりある、人の気持ちの暖かさで包んでもらえた冬の旅になりました。

久々に帰ることになった松本は、もおー街中がキンッキンに冷えきってて、
足の裏から“貼るホカロン”が手放せない!
そう、信州の冬は底冷えするんですね。
でも、あたしはその冬が一番好き。
まるで他者を拒むかのように冷たく張った空気には、何か荘厳なまでの緊張感が漲っていて、
その中に身をさらすと、ああ生きてるなぁ、って充実を与えてもらえます。
ちょっと、あたしはこの冬の中で育ったんだと思ったら、自慢したくなりましタ。
高校時代からの仲間達が、それぞれの家族やお友達、
さらには演劇部時代の後輩にまで声をかけてくれて、大勢で見に来てくれました。
10年ぶりぐらいの仲間を見たら…大人になったのねーあたしたち。
本当にありがとう。みなさん、ありがとうございました。

この親不孝な娘の顔を見に、両親も駆け付けてくれました。
相変わらず、デッカイ父と小っちゃい母でした。
そう、後で発覚した笑い話が。。。
星組の片桐=俊ちゃんはジェットストリームのシーンでいつも女性客にセクハラ…いやいや、
客いじりのサービスをするのだが、
松本の千秋楽で抱きついたのは、なんとウチの母。
俊ちゃんはぜんっぜん知らなかったらしく、ゲゲー!後で凍り付いてた。
母には久々に巡り来た春だったと思います、寿命が伸びたと思います、
アリガトゴザイマシタ(笑)

その日の内に、セットをバラして名古屋に移動…この旅一番の強行軍です。
雪の木曽路を通過し暗闇に沈む岐阜を超え、振り子電車はひたすら南下、
無事に大都会栄の街に降り立ったのだが…さ、さぶいーっ!
なにこの寒風、マジですかっ。
この後名古屋滞在の間中、ホテルの部屋ですきま風に悩まされる事になりつつ、
でも4日ぶりに独りっきりの時間に浸れて、嗚呼シアワセ~。。。
今日からはまた、寝がけ起きがけにすぐお風呂に入れるのね、
夜空に浮かび上がる松本城を横目に、鼻水たらしながら通った、
あの大正時代の生き残りみたいな風情ある温泉銭湯も好きだったけど、
松本では常に団体行動だったから、自分の時間を取り戻せた喜びで少々ハイになり、
毎晩狂ったように部屋中に洗濯物干しまくってましタ。わはは。

名古屋のお客様は、本当に息長くウチを見続けて下さっている。
終演後ロビーでお見送りをしていると、この赤い鳥のパンフと、
15年ぐらい前にやった別の芝居のパンフと両方に、サインを求めて下さる方がいたり、
95年の赤い鳥の時に一緒に撮った写真を持って来て下さった方がいたり、
握手をしたら、10年前より手があったかいですネと仰る方がいたり、
…肥えたからなんだけどねー (- -;)
上演中は比較的おとなしめの反応なので、けっこうドキドキしながら演ってるんだけど、
実はみなさん、内にとてつもない熱さを秘めてるんですね~。
本当にいつも、そのひたむきさに打たれます。
今回は、松本のお客さまがどっかんどっかん沸いて下さった直後だったので、
よけいに名古屋のみなさまの特性を感じられたのかもしれません。
面白いですねぇ~、お国柄って確かにあるみたいですね。

初日には、『甘い生活』の浅葱さん=児玉さんと念願の名古屋デートも叶いましタ。
児玉さんといると、いっつも大~きな揺りかごに乗ってるみたいな気分になる。
安心して心をぜんぶ預けられる、数少ない人。
彼のご当地で思いっきり甘え放題させてくれました~、ふふふのふ♪

そして今回も、はい、恒例の“名古屋ゲネプロ”敢行させていただきました。
(名古屋ゲネプロがどーゆーものかは、トップページの DAY BY DAY から 『ニューパラダイスタウン』5月31日編をご覧下さいまし、詳しくわかりまーす)
いや、今回はね、ちゃんとしたゲネをやるつもりだったんですけどね、
芸文のスタッフさんがなんだか楽しみにしてるってんでね、
マジですか?いーんですか?とこれ幸い、いやいや渡りに船、いやいや飛んで火にいる夏の虫…
いや、と、ともかく、まじめに、ええ、
まじめに不埒をやらせていただいたワケです。

ゲネは月組のみだったんですがもおー、竹下が、燃える燃える。
オープニングは詰め襟の下に縞々のピッタリタイツ着用。
空港の0625シーンでは爆発したような巨大アフロヘア装着。
由美との再会シーンでは白鳥の首が真ん中からニョッキリ伸びたバレエチュチュ着用。
ヤツってば、これらやたらかさ張る衣裳を自前で準備、
ただでさえ荷物の多い冬の旅支度の中に、ヤル気まんまん忍ばせて来ていたという。。。
ほんまもんの馬鹿ものです。
しかーしっ、
この渾身のコスプレはことごとく、他者によって完膚なきまでの敗北を見ることに…。

オープニングは竹下が出る前に、すでにものスゴイものが、舞台にいた。
突き立ての餅のような、白いかたまり。
それはウチの照明かわまたクン(42)の裸体。
雲流型をさせたらさぞ美しかろうと思わせるポチャポチャの力士体型、
輝くもち肌のお尻、
完璧だ。
衰えを知らないその肉体…恐るべし。
10年ぶりぐらいに見たよリブレ裸の大将。
コレに適うワケがありません。
コスプレ王子、一敗。

気を取り直して空港シーン。
スーツ姿に、自分の頭の4倍はあろうかと思われるアフロヅラを被って、
さっそうと登場したコスプレ王子。
確かに可笑しかった。
巨大きのこかと思った。
が、またもや負けてしまった。
対戦相手はディレクター小林。
反対側から、DCブランドのジャケットをピシッと着こなして現れた小林さんは、
ズボンを履いてなかった…。

悔しいコスプレ王子、最終兵器は“白鳥の湖/白鳥付き”純白チュチュ。
「何ひとつ、変わらなかった…何一つ、忘れられなかった」
あのせつないセリフが美しい愛の再会シーンで、相川=由美を笑かしてやろうという魂胆。
「よしゆき!」
ピンクの可憐なダンサー衣裳をまとって立っていたのは、しかし相川ではなく、
やまぎし。
ピンクの可憐なダンサー衣裳はホントにまとっただけ。
「何一つ、入らなかった…何一つ、着られなかったのよ!」
その場にいた伊東センセイと小林さんからヤンヤの大喝采を浴びながら、
どどどと走り去る象体の後ろ姿には、閉められなかったファスナーが、
悲し気にピラピラとなびいていた。
コスプレ王子の脳幹に、一生焼き付いて消えない絵になったのは間違いない。

正直言って、名古屋ゲネプロにはほとんど参加しないのが常のわだぐじです。
今回だって全然そんな気なかったんだけどさぁ、相川が出て下さいよお、
って本気で言うからさぁあ、そんなに言うならやってあげないと可哀想かなーと思ってさ。
自虐ギャグで身体ハリましたよ。ええ。
ちっくそー竹下、「よしゆき」って寄ってったら本気で怖がりやがって、
「ちがうーあんたじゃないー!」って半泣きだったわ、
あたしは今までずーっと由美演ってたのよっ。
竹下の怯えが可っ笑しくて、伊東の由美ちゃんなんか涙流して笑ってた。
まあ、やった甲斐あって喜んでもらって良かったんだけど、
だけど、あんなに、ソデからオペから劇場中でウケなくても…
ふくざつだわっ、ぶつぶつ。

まだまだ他のメンバーが色んな事をやって、
神谷は早替えでジャージを脱がされたらぼんのーがーるずになってたし、
音響のひとみチンは、今までの芝居の恥ずかしいシーンの音をわざわざ拾い出してきて、
当人の登場にいちいちカブせて流すし、
あ、メンズダンサーはみんなパンツ一丁で踊ったし、
もう覚え切れないぐらい色んなことやってました、みんな。
芸文スタッフのみなさま、御満足いただけたでせうか。
てか、こんなことでいいのか?
次回が大変。。。ってまだヤル気じゃん!

そんな思い出話を展開する間に、すでにして明日は『ゴジラ』の通し稽古です。
嗚呼~!切り替えができないー!
てかまだ身体がニブイよお。。。はぁ~頑張りまっす。明日から怪獣!

みなさま、本当にありがとうございました。
また変なエピ思い出したらお披露目しますからネ。

              *  *  *
by rosegardenbel | 2005-12-18 00:00 | ラ・ヴィータ・ローザ