劇団離風霊船 山岸諒子の徒然をつづる雑感ノート 「ラ・ヴィータ・ローザ」です


by rosegardenbel
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さあ、いよいよ男子フィギュア・ショートプログラムの滑走順が出ましたね。
丸諒的に注目選手を赤字で列挙してみました。

赤くて更に太字にしてあるのは、観ないと丸諒が一生後悔することになる選手。(笑)


[1組 01-06]
 pass (ごめんね)

[2組 07-12]
 07 エフゲニー・プルシェンコ (ロシア)
 11 ジェレミー・アボット (アメリカ)

[3組 13-18番]
 16 ジェイソン・ブラウン (アメリカ)
 17 ケビン・レイノルズ (カナダ)
 18 トマシュ・ベルネル (チェコ)

[4組 19-24番]
 19 羽生結弦 (日本)
 20 ハビエル・フェルナンデス (スペイン)
 21 パトリック・チャン (カナダ)
 23 フローラン・アモディオ (フランス)
 24 ブライアン・ジュベール (フランス)

[5組 25-30番]
 26 デニス・テン (カザフスタン)
 28 閻 涵 (中国)
 29 高橋大輔 (日本)
 30 町田樹 (日本)


この前の団体戦で、皇帝プルシェンコが本気の金獲りに来てるのがわかったので、
男子 SP はさらなる激闘必至になりましたね。

ハビエル・フェルナンデスもゴールドの前評判が高いんだけど、
スペインは団体枠がなくて仕上がり具合が観られなかったのが不気味。

ブライアン・ジュベールは個人的にファンだから赤太字。(笑)
メダルにはもう絡めないでしょうけど、
‘驚異の人体’4回転の申し子の、たぶん最後の晴れ舞台を見届けないとね。
悔いなく戦ってくれたらいいナ。


そおーなのよお団体戦、
カロリーナ・コストナー(イタリア)のおかげでフランスが予選落ちしちまって、
ジュベの滑りが観られなかったのが超くやしい。
一回多く観られてラッキ♪と思ってたのに。

でもあの団体戦は面白かった。
各国のスター選手が一堂に会する図の壮観さもさることながら、
観戦態度からそれぞれの選手の志向性とか人間関係なんかも分かったのが、
視聴者的にはお得だったわ。

やっぱりプルシェンコでしたよねえ、
決勝には高橋大輔も応援席に入ったわけだけど、
皇帝の滑りには拍手も忘れて食い入るように観てたのが印象的だった。

あのプルシェンコでもあんなに緊張するんですねえ、あんなの初めて見た。
スケート人生で一番じゃなかろうかってぐらいの凄まじい身体の絞リ方してきたし。

皇帝は、大ちゃんをリスペクトしてくれている。
うちのエースのツァーリへの大尊敬はもちろんのこと。

31歳のプルシェンコが満身創痍で期待に応えきったあの姿が、
高橋の覚悟に最後の火を灯してくれたのは、
間違いないと思う。

4回転が飛べるかどうかなんて今はもう考えてない、その時になれば解ること、
みたいなコメントが出てたのを読んで、
ああ、いいところまで来れたね、それでいいと思うよ、
と、安心した。



ついでに団体戦を観ての雑感をいくつか。

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羽生のあのメンタルは何なんだ。
震災で死の淵を覗いてとてつもない境地にまで至っているのだろうか。

町田もだけど浅田真央も鈴木のあっこちゃんも、固かったよねぇ。
五輪経験者でもまだああなってしまうのは、いい意味での図太さが無いように見受ける。
まじめに捉えすぎなんじゃないの?(こらー・笑)

いやいや冗談抜きで、
この場の主役は自分だから、って不埒なほどのドヤ顔見せてやるぐらいで、
ちょうどいいと思うよ場を引き受けなきゃならない以上は。


027.gif
うーん、今回の採点基準はかなり厳しいね、特に女子には。
不吉なことを言っちゃうけど、ヘタを打つと、
ヨナ/リプ子ちゃん/コストナーってことになるんじゃないかって予感してしまった。

やっぱり欧州のグレイスには敵わないということを、
コストナーを観てて実感してしまったのだ、まったく興味ない選手だったんだけど。

その意味で、あたしはあっこちゃんの『オペラ座…』は買えないんだよな。
My ふぇいばれっとNo.1の彼女なのだけどだからこそ思う、
あれは五輪にはアピールが弱い。
あっこちゃんにしか出来ない‘蠱惑’感を見せられるプログラムにして欲しかった。。


027.gif
しかし、高橋大輔の華は尋常じゃない。
彼が応援席に入っただけでいきなり日本ブースが輝いて見えるようになったのは、
錯覚じゃないと思うわ~。

透き通った、いい顔してた。。
あーただけは最後まで、覚悟のドヤ顔で行ってちょうだい。


027.gif
ロシアって、、、ワイルドだったんだよね。
あの地鳴りのような応援は、
うわーそうだったすっかり忘れてたけどここはこんな漢たちの国だった!
   ↓↓
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イリヤ・レーピン 「トルコのスルタンに返書を認めるザポロージエのコサック」

いい意味での野蛮を保ったままの国だったことに、
なんだか新鮮な驚きを覚えたのだった。
おかげで、
プル様とリプ子ちゃんの後に滑る選手には大変な受難が待ち受けているわけで、、

リプニツカヤの後に滑るのが日本女子じゃありませんように、
これは本気で祈るわ!





フィギュアとは関係ないんだけどさー、ジャンプの解説うるさい。002.gif
べちゃくちゃべちゃくちゃジャンプ論みたいなことばっかり言ってて、
今滑ってる選手のことを知りたいのにその滑りに言及もしないって、
選手に失礼だよ、誰だ?!と思ったら、
原田だったぁー。(- -;)

んもうっ、ぱんちっ。047.gif




























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by rosegardenbel | 2014-02-12 00:00 | ラ・ヴィータ・ローザ

大雪だぁ~

ヨコハマも降った降った。
吹雪がおさまった隙を見て外に出てみたら、うちの玄関前もこーんな感じ。

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雪への馴染みはあるとはいえ、丸諒だってちべたいものはちべたい。(笑)

各機関もきっと臨戦態勢になっていて、
おうちに帰れてない衛士の皆さまもたくさんいらっしゃるんじゃないかなー。

目につかないのが当たり前というところで、
暮らしを守ってくださっているんですものねぇ、ほんと、有り難い。。

最近ニュースではこういう時、不要不急のお出かけ以外はしないでください、
って言うようになりましたよね。

四季と暮らすということは、動けるこっちが合わせていくってことなんですねぇ、
本来はね。


土曜の夜にこんな吹雪じゃ、しかたねえオリンピックでも観るか、
って人も多いかもですね。(笑)

昨日の開会式はスペクタクルでしたね。

丸諒は、特に国の歴史をふりかえって見せるショウでの、
帝政ロシアの「戦争と平和」大舞踏会から、いきなり、
真っ赤で機械的な社会主義国に変わる、あの流れに引き込まれてしまいました。

ロシアって、、まあ中国もですが、凄いダイナミズムを懐に抱えた国なんですね。
人間てこうも極端な方向に行けるものかと、
ビジュアルで見せられると、やったことの凄まじさに鳥肌が立ってしまいました。


さてさて、ソチではフィギュア団体:予選後半が始まったようですね。

この種目でのロシア金はもう鉄板、銀メダルがカナダ、
銅をアメリカと日本が競り合う、かなー?というのが丸諒の予測ですが、
真央ちゃんは間違いなく1位だと確信しているので、
アイスダンスのリード姉弟の得点がポイントになります。

ペアの高橋・木原組の大健闘に続いて、頑張ってネ!

さあ、じゃあワダシはソチに戻りまーす。(笑)

















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by rosegardenbel | 2014-02-08 00:00 | ラ・ヴィータ・ローザ

始まる!ソチの花戦

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いよいよあと数時間で、4年に1度の‘その時’が始まります。
このところ思ったフィギュア雑感あれこれを。


035.gif  団体戦には国別対抗のような選手たちの応援席が設えられていて、
どうやらフィギュアはいつものオリンピックとは違ったムードでの幕開けになりそう。
あれ、いいよね楽しくて。
鳴り物とかぶり物は持ち込んじゃいけません、てお達しなようだけど(笑)

個人の試合の前にみんなで一緒にいることが出来るのは、
仲の良い日本選手陣にとっては大きなパワーになるんじゃないかな。
みんなプレッシャーよりワクワク感で滑りだしてくれればいいよネ。

羽生がんばれ!期待してるヨ!(^o-)-☆


035.gif  最近になってやっと、浅田真央とキム・ヨナの得点差の真相がわかった。
本当のところは何が原因なのか、ずっと知りたかったんだよね。

そうなのかぁ、真央ちゃんは飛ぶ前に一回沈み込んでいて、
それが評価を下げていたのね。

キム・ヨナはスピードを切らずにそのままの姿勢でジャンプに入るから、
とても美しい流れが出来る、ということだったのだ。
この点でキム・ヨナに軍配が上がるのは宜無からんことだなと、
丸諒的には納得しました。

佐藤じいさ…いやいやコーチと、4年に渡って修正してきたのはその部分だったのだ。
確かに小塚のスケーティングの美しさは世界一とも言われていて、
それを育て上げたのは佐藤じいさ…いやいやコーチなのだから、
五輪に照準を合わせてじっくりと作りなおしてくださったということなのねー。

それが今季の彼女の自信になっているのだ。
これはバンクーバーとはまったく違う真央ちゃんということだね。
楽しみだね~。

まあ、今更言っても詮無いことだが、
シニアの大会に移行した段階で佐藤コーチのもとに行っていれば、
こんな壮絶な苦労はしなくて済んだのかもしれない、とも思う。

時の事情が絡み合って、なかなかそんなワケにはいかなかったんでしょけど、
何事も、ついてしまった癖を矯正するのはゼロから構築するより大変だもの。

3A三回へのこだわりも収められて、金を獲る、という目標を見据えたようなので、
彼女が納得できる伸び伸びとした強い滑りをやってくれたらイイよね。


035.gif  ロシア男子1枠は、皇帝プルシェンコになったのね。
団体戦と含めたら計4回も滑らなきゃならない、、人造人間みたいな腰になってるのに(T T)
こちらとしてはオリンピックで4度もツァーリを拝めるのは嬉しいんだけどさ。

同じことはフランスにも言えて、、またジュベールに会えるのね!よかったぁ。

思えばプルさんは31、ジュベも29歳。
我が国のスター選手陣の引退も含めて、
このオリンピックが一つの黄金期のエピローグになることは間違いなくて。

それを思うとせつないね。
そうして、みんなを観れるのが嬉しく、誰が金を獲っても喜べる、
そんな気持ちになっちゃうな。。

そう、キム・ヨナと同じ論理でパトリック・チャンの凄さも解かったしね。
みんながんばれ。

なんて素晴らしいものを観れるんだろうね。
この時代に居合わせた幸運を、つくづく噛み締めたくなる。


035.gif  このレジェンドの時代が終わったら、
新しいサイクルに入って、次はまたロシアが王座を奪還するんだと思う。
特に女子ね。
たぶん今回も、リプニツカヤ・リプ子ちゃんは台乗りするんじゃないかな。

そう、あの『シンドラーのリスト』を観るにつけ思うのは、
高橋大輔のバンクーバー『道』の演劇性の高さね。

あのときはSP 『Eye』に完璧にヤラれて、
あたしの中では『道』は脇に追いやられていたプログラムだったのだけど、
今みると、スゴイよねえ~、スケーターのレベルじゃないっす俳優ですまるきり。

あのピエロみたいなコスチュームも、高橋色を封印しての「衣裳」だもんねぇ。
今更ながらに、凄い男だと思うわやっぱり大輔。


035.gif  その高橋は、もーどーしてこの人にばっかり余計なものがつきまとうのよぉという、
この期に及んでの使用楽曲への困惑の出来事がくっついてきちゃったわけだけど、
これも考え方だよね。

全日本でのあの流血の演技に輪をかけて、高橋への注目、
増し増し盛り盛りラーメン二郎どころじゃない(笑)ってことにもなったのね。

もう本人はモスクワに居るのかな?
どーでもいい雑音です、そんなことはあの男には影響しようがないから。
彼が見据えているのは一点だけだもの。

生涯最大の集中を爆発させてくれ。
それがあなたに納得をもたらすのよ。 058.gif058.gif058.gif















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by rosegardenbel | 2014-02-06 00:00 | ラ・ヴィータ・ローザ
古典に参加した滅多にない機会だったので、残す資料として自分の仕事内容をメモ。


【役作りに当たっての最大の難題】

●観客に、パンパンの元締めのような闇の側に寄った印象を持たれると、原作のクワシニャーが持つ日なたを生きる地道な生活者・勤労者という役割が見えなくなってしまう。ハナのこの立脚点が薄まると、住人たちのどん底ぶりを表す比較の対象が無くなることになる。この宿で唯一、自助努力で暮らしを立てている人物であることをひと目で分からせなければならない。

●原作にない滝代との直接対決のシーンが加えられたことで、悪辣な滝代と拮抗できる強い説得力と真逆の存在感を獲得しなければならない。

●原作で語られるどん底まで落ちたそれぞれの理由は、戦争を経た人々には弱すぎて合わない。昭和22年をやる以上、各自なりの戦争への言及をまぶさないと原作との融合は失敗する。


【解決策】

●稼いでいる人物の表現として、劇中の随所に労働場面を入れ込む。

ハナの日なた感に影をもたらす売春や闇市場との関わりは、常に忙しく手を動かしている「ながら」状態で演技することで、特殊な時代・状況を清濁含んで生き抜く女の「労働内容の一端」に均すことができると分析。

●滝代の真逆を意識し、どん底の宿を影で束ねている生活者のビジュアルを獲得する。

パンパン色に寄ったコジャレたパーマネントにスカートというプランが出ていたのだが、労働者としての人物象を混乱させることになるので、普通の女ではない表現の折衷案として、戦前は花柳界にいたかにも見えそうな和の玄人ぶりのビジュアル化を提案。

シックな洋装の滝代に対して劇中のほとんどをオバチャン臭いもんぺに割烹着で通し、立場の変わった4幕ラストだけ和服で出て、芝居も「ワケ知りの女」風の表現に変える。

●台詞の言葉を変更してハナにとっての戦争を一瞬イメージさせる。

「いとしいうちの宿六がおっ死んだときは、もううれしくて・・・略」
              ↓
「いとしいうちの宿六に赤紙が来たときは、もううれしくて・・・略」

冬場の氷の海のような陰惨な結婚をした女が徴兵を天の配剤と喜んだことは充分アリ。どん底にいるからこそ語れるブラックな真実として、敢えて強烈な赤紙という言葉を提案。


【出演シーン・工夫したこと】

<1> 1幕―冒頭
・ドラム缶の焚き火で売り物の焼き芋を焼きながら男爵・パンパンたちと会話
・パンパンたちにあさりのおこわを食べる動作を提案
・焼き芋を包んで肩掛けのズタ袋に入れ、おこわの食器を片付けながら信一とケンカ
・いったん引込み、大きな雑嚢を背負って出てくる
・この折に、4幕でポイントになるはおりも着ておく
・役者に話しかけながら、名主から手製の紙巻タバコを受け取る

メイクさんのヘアプランがキレイに結い上げたアップだったため、生活感を出すために手ぬぐいで姉さんかぶりをしてここでは髪を見せないようにする

<2> 1幕―終盤
・舞台ソデにブロークンイングリッシュを投げかけながら出てくる
・英文字の入った小麦粉の袋を抱えてくる
・二幕の転換時に舞台上に物を残さないよう六臓に小麦と雑嚢をソデにはけてもらう
・姉さんかぶりを取って髪を見せる
・六臓との会話中にアメリカ製の Vaseline を出して手に塗る
・4幕でパンパンに着せてやるショールを出して客席に印象づけておく

<3> 3幕―終盤
・信一と風太郎の会話に割って入りつつ名主にサツマイモを渡し出来た焼き芋を受け取る
・道代のヤケドに使った水の入ったオイル缶を持って引っ込み、小麦の袋を抱いて逃げる

<4> 4幕―冒頭
・田舎に帰るパンパンに自分用に買っていたショールを持たせる
・ここまではいつも必ず大きなズタ袋を肩から下げている

<5> 4幕―ラスト
・綿の和服に持ち物ナシの身軽な格好になる
・宴会の場でこの時代手に入りにくい高級な洋酒オールド・パーを出す
・「どん底の歌」を酒席に合うようマイナー演歌バージョンにアレンジ(2幕冒頭でも使用)


【雑感/得たこと/出来なかったこと】

◆昭和22年への設定変更をもっとも体現しなければならない役回りになって、原作との乖離の埋め方、生活者としての表現の取り方を簡単には見つけられず、ハナのやることを確定できるようになるまでに大変な時間がかかった。

動作を完遂させながら平行して台詞を喋る行為はダンスと同じく身体に覚えさせるもので、動きに躓くと台詞も止まるし、周りに合わせて動作の流れを計算しなければならないため、肝となる共演者の喋りのスピードや間合いは稽古中に体得していくしかないのだが、小返しがなかったため前日のまま通しを繰り返すことになり、一人著しく停滞感に苛まれた。

座組で一番出来ないヤツの烙印を押されたが、腹を括って年内は共演者の癖を掴むことに集中、正月休みでシミュレーションを繰り返した結果、新しいアイディアもいくつか発見し、稽古再開日からやっと芝居のスタートラインに立てた。


◆この時点で芝居は2時間30分を超えていたため、まずはテンポを上げることが課題に。本来的には台詞の隅々にまでニュアンスを届かせる芝居を得意としてきたが、それをやれるような尺は許されず、ただハイスピードで台詞を発することだけを求められる。

ここで解かったのは次の役者に台詞を渡す能力についてだった。テンポを上げても伝える意思を持って喋っている人の言葉はよく聞こえて合わせやすいが、それがない人はただの音声としか認識されないどころか台詞を言ったかさえ聞き取れない。舞台の芝居には独特のサイズがありそれなくしては成り立たないことをあらためて思う。

言葉の意味と自分の役をよく理解していればただマシンのように喋るだけでも伝わるのだ。思えば日常会話では、棒読みのような喋りからもそのニュアンスはちゃんと聴き分けている。何のために発言しているかという意思さえあれば伝わるのだ。ニュアンスを意識せずに台詞を喋る面白さを発見したのは新鮮だった。


◆稽古終盤になって、稼ぎのあるハナがこのどん底に居続ける理由を見つけた。横浜メリケンでは4場のハナは他に六蔵との所帯を持ちここにはもう住んでいない、いわゆる黒澤版「どん底」の清川虹子の流れに準じた。私自身もこの設定がもっともハナという人物を通すことが出来たのでやりやすかったし、これがあるからラストでは和服に着替えるというアイディアが生まれたのだ。がしかしではなぜ、そうなってまだ尚どん底の人間関係を切らないのか。

夫に虐げられ続けたハナにとってこのどん底ホテルは、男の上に君臨できる場所なのだ。みんなのおっかさんと見ようがやり手ババアと見ようが人々のそれはハナには関係ない。どん底だろうと貧民窟だろうとハナがハナとして雄々しく立っていられる場所がここなのだ。これがあるから彼女は貧しさにも労働の苛酷さにも負けずに生き抜けるのだ。

これは実は人との関係に嫌気が差してこの座組を愛せないと思った時に発見した。(笑)冷えた気持ちで通しに臨んだら、初めて思い通りに場を動かし切ることが出来たのだ。あ、この座った感じがハナの芯だったんだと、こんなキッカケで役が通ったのだった。稽古中の感情体験というものはどんなものであれ必ず大きな答えに導いてくれるものだ。


◆ハナは恋ごころを抱いていたというのが私の解釈だ。実は風太郎に。彼もまたそれを悪かないと思っているが、頭のいいモノ同士はそれを実現させないのだ。ハナは現実を生きる相方として六臓を選び風太郎は変わらず博打に刺激を求め続ける。

なぜ急に最後になって風太郎との、ハナにしては目立って長い会話があるのか、人にも恬淡としている風太郎がなぜ急にハナの新婚生活になど口を出すのか、ハナも冗談めかした口説きの風情まで添えて応えるのか、初めての読み稽古で肉声を交わした時にここにあるのは思った以上の厚みだと確信した。

文字で読んでいる段階でもうっすら気づいたことだったが、実際にこれらの言葉を発すると、そこに強い意思がなければ生まれない唐突な会話だという際立った違和感を感じたからだ。風太郎役の久保田氏もこれに気づいていたが、しかし今回は掘り下げるには至れなかった。

あと2週間よぶんに稽古時間があって全員でドラマを作る快感に満ちた時代に行けていたら、私は迷わずこの提案をしたが、台詞のカットに悩まされている演出にそれは言えなかったし、演者二人の認識だけでは客席には伝わらない物語の根幹に関わる大きな解釈だったから、今回は表現できなかったしこの座組では必要ないエピソードだったろうとも納得している。が、ハナ=クワシニャーは短い出番以上に大きな振幅のポテンシャルを持った役だとは、ここからも解かったのだった。


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       photo by J.Takano                   顔じゅう汗だぜ(笑)






























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by rosegardenbel | 2014-02-01 00:00 | ラ・ヴィータ・ローザ