劇団離風霊船 山岸諒子の徒然をつづる雑感ノート 「ラ・ヴィータ・ローザ」です


by rosegardenbel
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<   2006年 04月 ( 3 )   > この月の画像一覧

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『ゴジラ』で一番忙しいのは、やよいのラスト長ゼリの間です。
あんなにしっとりとした、ロマンチックの極みのシーンの裏では、
キャストもスタッフもドドドと走り回って、
モスラの家から三原山への大場面転換を決行しているのです。
(ちなみに、あのシーンで流れているテーマソングは、
 若かりし頃のワダグジの歌声でございましたははは。)

「僕はまだ、ゴジラだから…あんぎゃぁ~」とか言って、幕が降りた途端、ゴジラもハヤタもそそくさと、早替えの為ソデにダッシュします。
この時のゴジラは血だらけなので、触ったら大変なこの怪獣をかわしつつ、
女優陣はこ、腰が…とか思いながらへっほっへっほと柱のブロックを運び、
男優陣はパネルをうんしょと移動、それらをソデに隠して舞台を空けると、
返す刀で一番奥に待機させておいた山にチュルチュルチュルっとタカり、
みんなでどーりゃーっと引っ張り出す。

もう、その頃には先発隊のハヤタ、ピグモン、モスラが、幕前に再登場。
その間に、家族はソデにダダーっと駆け込んで冬物に着替えます。
ひと芝居終えて上手に引っ込むと、今度は着込んだ服を脱ぎ捨てて、
真っ暗な山の裏にダッシュします。
しかし、うっかりするとかとり幕(避難船が描いてある幕)の、
真ん中に開いた紗幕部分から移動が見えてしまうので、
ダッシュといっても歩伏前進で、です。
必死だからやっちゃうけど、冷静に後ろから見たらかなり笑える図です。

そうやって続々と山の裏に出演者が集結。
下手の山には伊東、小林、橋本、双子の倉林と鈴木、
真ん中の谷には、大迫と、今回から山岸に変わって瀬戸、
そして上手の山に、江頭、新垣、相川という布陣を張ります。
表は再びやよい1人となって、
ピンが落ちても聞こえそうな静かなシーンに入っているので、
みんな各所で息を潜めてじっとしています。

ゆっくりと、やよいが赤い傘を開いて曲がオン!
すると、裏は俄にガサガサゴソ、ガチャガチャ、バリバリ、
と、騒がしくなります。
ドライアイスを包んだ新聞紙を一斉に破り、
ゴボゴボと熱湯の煮立ったマシーンの中に投入、即体重かけて密閉!
曲のボリュームが上がっているほんの僅かな内に、この作業を完了させ、
幕が上がると同時に、一番先に谷から山肌を滑るように煙を流し落すのが、
過去20年やってきたワダグジのお仕事。
空調で煙が逆流しないように、渾身リキ入れてうちわで扇ぎまくります。
横で伊東センセイから、
はい、りょーこサンマ焼き入りました、とか言われながら。だはは。夢中。
大迫は筋力が必要なマシーンの圧力調整をしてきたのですが、
今回から栄えあるサンマ職人に昇格?(笑)夏のツアーでは、
そのB型のこだわりで、よりゲ-ジュツ的な煙を見せてくれる事でしょう。

やよいとゴジラが去って、大音量が続くようになると、
いよいよ伊東センセイの山、轟音響かす噴火マシーンの出番です。
この装置は大橋率いる特工班の製作なので、
班の若頭橋本が、曲キッカケでファンのスイッチをオン!ドッカーンです。
吹き上がっては落ちてくる瓦礫を、送風口に拾っては投入拾っては投入、
た~ま屋~なノリで婆さんと孫がキャッキャ言って投げ込んでるので、
知らない人が見たら、家族浮かれて遊んでますって感じカモ。(笑)
この時点でみんな降ってくる銀ビラまみれになっていて、
油断してると衣装の中にたんまり入っちまってチクチクします。

そして、割れ目噴火のお出まし。
当時見たニュースでは、幾筋も吹き上がる柱状のマグマが美しかった…。
三原山の噴火で一番有名かつ特徴的な、あれを再現したのが上手の山です。
このマシーンは、あたしのいた谷のチームの5倍はある大きさで、
なおかつ、並べて開けた小さい穴から一気に吹き出させるという、
もっとも高圧な装置なので、アクシデントも多いのです。
その昔、今はとりびあ~んなガタイ良しの高橋が、
体重かけていて蓋ごと吹き飛ばされた事もありました。
今も江頭を筆頭に、一見非力なスレンダーチームが、
蓋の隙間から噴出する凄い勢いのガス漏れと毎回格闘しています。

で、舞台の明かりが落ちはじめる頃、
微妙な小ワザを得意とするリブレ大工房のマエストロ小林が、
(あの黒壇のように美しい仏壇の製作者。内装はアトリエやまぎし。うふ)
彼にしか現出できない絶妙の芸術的タイミングで、
光る溶岩をニュオニュオニュオ~っと垂らして…
一大プロジェクトは完遂されるのでありました。
ぜんぶ手作りです。
ぜんぶ自力です。
だからカーテンコールの時には、みんなハァハァ息切れしてんの。
これぞ、The小劇場 なワケですね~。

この芝居は、だから実は裏の動きの方がある意味面白かったりするのです。
まあウチの芝居は毎回こんな感じではありますが、(笑)
これがホントの“裏ビデオ”と称して、
本番中にハンディを回したこともあったんだよナ。
人員にゆとりがあったらまた作ってみればいいのに。
あ、てかあたしが撮ればいいのか。
アプルでは本番中の小道具回しの引き継ぎのことで頭いっぱいで、
とても余裕なくって思いつきもしなかったわ、くっ。

普通、裏回りのことなどはご披露しないのですが、
『ゴジラ』はネ、エンターテイメントの極ですから、
それも含めて楽しく思い返して頂けたらと思います。
お陰さまで長年みなさまに可愛がっていただき、
こんなネタバレぐらいじゃビクともしない代表作になりました。
ありがとうございます。
実は他の作品の方が、門外不出のマル秘技術満載だったりするのですよー。
それは教えらんねーな。(by舞監青っち)
ははは。

どうやら6月の『クロスゼロ』も、ヤルらしいです。
ぶるぶる。。。あ、いやいや武者震いデスっ。(笑)
装置に負けない芝居を、作ろうねみんなー!

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by rosegardenbel | 2006-04-07 00:00 | ラ・ヴィータ・ローザ
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 ←昨日の稽古場前

なかなか壮観な絵でしョ?
このあと夕方から、土砂降りあーんどデッカイ春雷に見舞われ、
可哀想な目に遭いながらも、夜には変わらぬ艶姿を披露してくれた、
今年の中目桜です。
日曜日なんていつもはシーンとしたもんですが、この時期だけは凄い人出!
平日でさえ歩きづらいぐらいで、中目黒が一番華やかになる一週間。
この時期に稽古が詰まっている時は、ふふ~ンあたしは毎日見てるんだゾ、
とチョット自慢な気分で、いかにもヂモティ装っちャったりして。(笑)

桜って不思議ですよね。
なんだか人の気をそぞろにさせる。
一本だと、儚さや淋しさの方に心を奪われるけど、
これだけ並ぶといきなり浮かれてくるっていうのも、笑えます。
今日はモノ凄い風だったからなぁ、
次の稽古の時には間違いなく散ってるだろうな~、チョットせつない。
惜春ってヤツですね。

 ←橋の上から

可能な限りの接写なんだけど、
ケータイではいまいち、この川の花の美しさは捉えきれず…くっ!
上の方に走ってる黒い物体は、電車の高架橋です。
東横線に乗ると、足の下にこの夢のような並木が広がっているのですネ~。

桜が終ると、もう初夏は駆け足でやってくるんですよね。
そうしてあたしもまた一つ年を…いやいやまだまだ一ヶ月はあるっ。
負けまへん。(なににヨォ?)

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by rosegardenbel | 2006-04-04 00:00 | ラ・ヴィータ・ローザ
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春爛漫ですな~。
『ゴジラ』が終った直後から人様の手助けに奔走していた日々、
といっても、もっぱら頑張ったのは脳みそと口という缶詰め状態だったので、
今年は桜逃がしちゃうのかぁ?!と、マジで泣き入りそうになっていたのだけど、
なんとか良い方向に解決し、ほっ。。。とする間もなく、
今度は連日深夜にまで及ぶお出かけの嵐っ!
いやはや、なんちゅー極端から極端。

今日になってドッと疲労が出てきました。
いかんいかん、無理をするとまたヤマイがぶり返しちゃう。
明日のお仕事をクリアしたら、寝るぞぉ思いっきり。
そーなんです、今うちのアパートってば朝っぱらから外壁工事をしていて、
1日中ガーだのドドドドーだのすんごい騒音で、電話もかけられない。
よかったよこれが先週じゃなくて。
7月まで続くらしいの。。。嗚呼、憂鬱。
ウチは角部屋だから、どうやら一番音が響くみたいで、
せ、せめて10時ぐらいからならまだしも、8時からガガガー!なんてー(泣)
もうすぐ稽古が始まるし、体調管理に影響しそうで心配…。
そんなご無体な工事がお休みの日曜日なのに、明日も外出だぁ。

でも、この嵐のお出かけ三昧にも嬉しかったことが2つ。
行き付けの美容室が、なんと目黒川沿いに移転してたので、
5時間たっぷり満開の花の舞を独り占めにできたのデス。
いや~満喫できたぁ、今年の中目桜は諦めてたからなぁ、
なんか頑張ったご褒美もらえたみたいで、嬉しかったよ。うるうる。
時折りの突風にあおられて、わ~っと花吹雪になってしまうのが夢のようで…。
たわわな枝が優雅に揺れ乱れる風情は、ちょっとなく印象的な絵でありました。

そして、なんだかだで甘いメンバーのほとんどと会えた10日間でもありました。
1年経ったんだな~。
プロデュース公演の宿命として、1年も経つと会えなくなる人の方が多くなるだろうと覚悟していたのだけれど、
このチームは、お互いをそれなりに根っこにしてくれてるのが実感できて、
やっぱり知念さんが仰る通り、人間的にも優れた人ばかりだったんだなぁ、
しみじみ幸せを噛み締めました。
会えば必ず楽しそうに迎え合って、労りあい尊敬しあえるのが、うん、
大人の社交って感じで、むしろ今の方が仲間意識が強くなってるカモ。
ホント、プロデューサー冥利に尽きるとはこういうことなんですね、
やってよかっタ。

出会えた人はどの方とも、できる限り大切に、
永いおつきあいをしたいと思ってるけど、
なかなかきめ細かくは出来ない時の方が多い。
でも、本当に大事に思い合えてる人とは、
何があっても切れないものなのだと、
だから、それは信じていいんだ、無理しなくても大丈夫なんだ、
求めてもらえる自分であることの幸運を、自信を持って心に刻もう…
そんなことをほんのり思う今日この頃であります。

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by rosegardenbel | 2006-04-01 00:00 | ラ・ヴィータ・ローザ