劇団離風霊船 山岸諒子の徒然をつづる雑感ノート 「ラ・ヴィータ・ローザ」です


by rosegardenbel
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<   2006年 03月 ( 3 )   > この月の画像一覧

              *  *  *

昨日『ゴジラ』の通し稽古を見ました。
この芝居を外から見るのは、実に20年ぶりぐらい。
今更ながらセリフの面白さに唸っちゃいました。
演っている時は、それは重々承知しているつもりだったけど、
実はずいぶん疎かにしていたんだなぁと、あらためて反省しながら、
眺めてましたね。

養老猛先生が“超バカの壁”で、革新よりも普遍を目指すべきだ、
と仰っていますが、確かにこの台本には普遍性があって、
だからこそ20年経っても古くなってないんだと思いました。
芝居のスタイルは、決して新しいとは言えないのですが…。
今を生きる役者たちは、その辺りで四苦八苦しているのですね。

リブレのスタンダードであるがゆえに、
新しいスタイルを生み出そうとするのは、それは難儀な厄介なことで、
どれだけ我慢して本質に迫ろうと頑張り続けるか、
核心から振れずに、核心を見失うことなく、
でも、演っていると、ついそこを踏み外してしまう。
佳きものを目指すがゆえにね。
罠、ですね。
ずいぶん余計なことやってるなー、なんて、離れて見るとよく分かる。
それを、みんなにどう伝えればいいのか…
今、そのことが頭を駆け巡っています。

まあそれはあたしのボヤキなんですけど、そんなことよりっ、
チョットチョット奥さんたいへんよぉ~っ!(…誰だよアンタ)

ラストシーンが・・・変わってました。
\(@o@)/ oh~!

今回は、大昔に一度だけやったバージョンにしたようです。
うん。
ちょっとショックかも。
なんか、全部ひっくり返されたような感じで、
見終って、ちょっとボーっとしちゃいました。
馴れてるあたしでも。

こればっかりは、見ないと分からない感覚だと思います。
あたしは…このラストに、えも言えぬ深い余韻を感じました。
うん、かなりやばい。
まだ浸っちゃってる。

どーだぁ、見たくなって来ただろー。(笑)
果たしてみなさんがどう思われるか、感想が楽しみです。

              *  *  *
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by rosegardenbel | 2006-03-16 00:00 | ラ・ヴィータ・ローザ

エウロスと銀の猫

              *  *  *

すごい風です。
晴れた街の中を、ゴーゴー渡ってます。
これは・・・春2番、ぐらい?(笑)
おかげで今日は一気にクシャミの嵐です。

昨日、久しぶりに劇団に行きました。
今はアプル公演の為のタタキ真っ最中です。
夏のツアーもあるし、小道具もこの際しっかりメンテしておきたかったので、
恐る恐る出かけてみることに。
というのは、実はわたし、
年明けから突然調子を崩して、遠出が出来なくなっていたのですね。
だから日記も、なんか自閉気味だったでしョ(笑)

なわけで、昨日は今年4回目ぐらいの外出だったのでした。
本番直前で、みんな気が立ってたら恐いな~とビクビクしてたのですが、
現場はの~んびり平和~な風情であらら、ズッコケちゃった。
馴れた作品で、骨格もしっかり固まっているセットだから、
リニューアルと言ってもみんなゆとりを持って臨めるのでしょうね。
こっそり仕事しようと思ってたのに、
エレベーター降りたらよりにもよってホールにちょうど全員が集結してて、
思いっきり言われちゃいました…あけましておめでとうございます、を。
はい、今年初出勤だったのでありました。だはは。

ちゃんと復調したのか、いまいちまだよくワカンナイけど、
ともかくみんながやさしくしてくれたのでほっ。。。としつつ、
申し訳ないっ。恥ずかしかったです。
アプルではちゃんと受付のお手伝いします。
その為にお洋服も注文したし…いや別に気合い入ってるわけでなく、
あくまで膨張した身体の事情からなんですけど、くっ。

待ってたよ~、春。
自分がネコヤナギの芽になったような気でいました。
あたしは生まれ立てのネコヤナギが好き。
子どもの頃、まだ冷たい東風の中、赤い頬っぺをガサガサにしながら河原に行き、
固くて赤い殻を割って輝く、銀色の毛皮のようなネコヤナギの穂が、
ツーンとすっくり伸びているのを見ると、あ、春だ、と思ったのでした。
生まれ立ての花はしっとり濡れているようです。
その毛並みは、本当につやつやの銀の猫。
思わず唇をよせてみたくなる。
東風エウロスは、西洋では船乗りに悪さする気紛れな風だけど、
日本ではネコヤナギをやさしく撫でて、ふっくりと開かせる春の風なのです。
あたしはその、ほわほわの可愛い姿より、
エウロスにキスされて、はてこれからどうしよう?
と戸惑っているような、世の中に出て来たばかりの一瞬の姿が好きです。

今日は、道ばたも公園もお花屋さんでも、小さな蕾たちがエウロスの勢いで、
ぐんぐん花を開かせていることでしょう。
明日もお出かけしよう。
あたしもゆっくり春になっていこうと思います。

              *  *  *
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by rosegardenbel | 2006-03-12 00:00 | ラ・ヴィータ・ローザ

ベルベットのジェラシー

              *  *  *

  泣きました。。。

また美しいものに出会ってしまいました。。。

クミコさんというシャンソン歌手。

午後、たまたまテレビを付けて知った人なのですが、
“ハウルの動く城”のテーマ曲---アコーディオンの調べがせつない、
あれに詩をつけて歌ってらしたんです。

もともと久石譲さんの曲は大好きで、一度聞いたら忘れられない旋律でしょ?
あんな素晴らしい音に、声をかぶせるなんてありえない、
千と千尋の歌みたいな(ごめんなさいだけど好きじゃないのです)
あのパターンだったらヤダなぁ~、と思いつつ、触りだけ聞いてみようと思って。
そうしたら・・・

♪夕暮れ…、って歌い出しを聞いたとたん、え?なにこの声?!
思わずボリュームを2倍に上げると、息詰めたまま画面に釘付けに。
ゾゾゾゾーッて、本当に鳥肌が立ったのと同時に、不覚にも、
涙がぶわ~っ!

・・・すっごっかった。
人の歌聞いて号泣したなんて、初めてだ。
もう、ビックリ。
それだけしかないの、自分の中に。
深くてあたたかくて、ドライで大きくて、情感のかたまり、情感そのもの…
あ゛ーダメだ言い表せないっ。
「本物の」大人の女の声が、あったんですよね~。。。

ショックでした~、すっごいショックだった。
もう今、心の中はあの歌声のことでいっぱいいっぱい。
他になんにも考えられません。
実はシャンソンって、好きじゃなかったんです今まで。
児玉さんやジョニ-から、向いてるよーやりなよーって言われても、
秘かにヤダよぉと思ってたんだけど…偏見だった。思いっきり。
そうして、悔しくなった。なぜだか。

クミコさんが、知る人ぞ知る癒しの歌姫としてジワジワ人気が出始めたのは、
ほんのこの間だったそうです。
50過ぎてから認められるって、シャンソンとか Jazz ならではの世界。
あたしにもこれから出来ることがあるんじゃないか、って、
小さな希望の灯がともった感じ。
だけど悔しい(笑)なんで?

あんなに深く歌われると、恋の歌も人生の歌になっちゃうんだよなあ。
そのくせ声の艶はおんななの。
ギョッとするほど色気がある。
運転中にラジオで聞いて、おっ?!とボリュームを上げた男性がたくさんいるみたい。
だよなー、そーなるよ、あの声なら。
実際のご本人はいたって普通のご婦人なので、声から入った男性は、
そのギャップにこれまたギョギョ、とするらしいけど。(笑)
魔力がある。うん。
成熟したローレライ。

  美は人を黙らせる。
実はこれは、自分が中学校の時に先生からいただいたお誉めの言葉なのだけど、
あたしでも、美を持ってるんだって事が嬉しく支えになってきた出来事だったけど、
あたしはそれを全然活かさずに来ちゃったんじゃないか…。
もう無いかも…。
そう思って悔しかったのか。

あたしが聞いたクミコさんの歌のイメージは、漆黒、なんだよな。
でも、その黒はビロードのような手触りで、知ってしまったら何度も撫でたくなる。
それで花はなぜか百合なの。薔薇とかじゃなくて。
凛と匂い立つ、強くて透明なやさしさ、みたいなものを感じて。
ああ…知れてよかった、あの人のこと。

このところ毎月、遠いところにいる女性たちの破格の素晴らしさに会えてるなぁ。
その度に、自分の中の何かがしっかりしてくる感じ。
毎回泣かされるのはあたしのせいじゃなくて、実際すごいものに触れてるんだと思う。
それはとても幸運なことだ。
本当にそう思います。

来週の今日、クミコさんのベストアルバムが出ます。
待ち遠しく日を待つなんて久しぶり。
聞いてみて下さい、ぜったい泣いちゃうから。
あ、だから一人の時に聞いた方がいいと思いマス。(笑)

              *  *  *
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by rosegardenbel | 2006-03-02 00:00 | ラ・ヴィータ・ローザ