劇団離風霊船 山岸諒子の徒然をつづる雑感ノート 「ラ・ヴィータ・ローザ」です


by rosegardenbel
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星の架け橋

              *  *  *

ちーさまの書き込みを読んで、スターダストの訳詞を読み返してみて、
これって昔の恋を思う男の詩だったのね~、へ~、なんて思ってる内に、
ふと、ある映画のワンシーンが浮かび上がってきました。
将校の軍服に身を包んだロバート・テイラーが、
ロンドンの橋の上に佇んでいる、悲痛な後ろ姿。。。
タイトルは『哀愁』。
彼が追想している恋人は、マイラというバレリーナ…
かのヴィヴィアン・リーです。

『哀愁』を見たのは、確か小学校4年生の時でした。
その日は土曜日で、軌道に乗り始めた父の小さな会社に遊びに行って、
お昼のニュースの後から名画劇場が始まったんだと思います。
物語のふたりの事情は全然わかってなかったけど、
初めて見たヴィヴィアン・リ-という女優さんの、
夢のようにはかなく美しい姿から、心情がせつせつと溢れて来て、
小学生ながら、ただもう悲しくて悲しくて。
事務所の高い処に置かれたテレビを見上げたまま、
立ちっぱなしでおいおい泣きながら見続ける、
子どもならではの凄まじい集中力に、父も母もスイッチを切るに切れず、
お手上げだったらしいです…なんたって仕事中(笑)。
今だに言われるあたしの号泣エピソードの一つデス。

あたしにとってのヴィヴィアン・リーは、
なのでスカーレットではなく、『哀愁』のマイラなのです。
キリキリと片眉を吊り上げた、南部の火のようなお嬢様の彼女より、
英国女性らしい、全てを秘めた上目遣いのまなざしの彼女の方が、
断然うつくしかった。。。
それはそれは、天女のようだった。。。

ロバート・テイラー、ロイが立ち尽くす橋は、ウォータールー橋。
大学生になって、父と初めて上野の国立西洋美術館に行って、
モネの『ウォータールー橋』を見つけた時は、あ、マイラの橋だ!と、
嬉しかったぁ~。
大好きなモネが、この橋を描いていたなんて。
しかも、モネらしく色彩のみで、輪郭の曖昧な薄桃色の霧の絵は、
まさにあの『哀愁』の、せつない橋のイメージそのもので、
あたしには直球ど真ん中!胸キュンロマンチック鷲掴み(笑)。
これが橋ぃ?なんだか分からないなぁ。。。
ルノワールの複製画を記念に与えようとしていた父は渋々説得され、
父のロマンチックど真ん中の、バラ色ほっぺの金髪少女のレプリカと共に、
『ウォータールー橋』も買ってくれたのでした♪

なんだか懐かしい思い出と共に『哀愁』を検索してみたら、
なんとまたまた長年の謎が解けましたっ。
ロイが橋の上で握りしめていたマスコット、
マイラとのただひとつの愛の形見となってしまった、その大事なお人形が…
ぜんっぜん可愛くないっ。むしろコワイ。
子ども心にも納得いかない不細工さで、あたしには手塚治のヒョウタンツギ
(例の絆創膏を貼った小ヅラ憎い顔のブタのキャラクター)にしか見えず、
なんでぇ?!と唯一違和感持ったところだったんだけど…なんと、
そのマスコットは“ビリケン”で、1907年頃に米の国の女性が、
幸福の神様として売り出したところが人気を呼び、
世界中に広まった一大流行グッズだったのだ、Oh~!

映画の舞台は第一次世界大戦の最中だから、
マイラも流行りの恋のおまじない人形を、可愛がっていたのだった。
ヴィヴィアン・リーが演ってるから神々しく思っちゃいがちだけど、
マイラって、普通の女の子だったんだ。。。
嗚呼、なおさら哀れ(号泣)。
あたしは全く知らなかったけど、ビリケンて関西の方では有名なのですね。
でもやっぱりあんまり可愛くないと、あらためて思った(スンマセン)。

すごいなぁ、ネット検索って。
あらためて情報社会の凄さを感じつつ、しかしっ、これによって今回、
新たな謎も生まれてしまったのです!
『哀愁』の中で、二人はロウソク亭でデートをします。
(原語では Candle Club だけど“ロウソク亭”という訳の方が素敵…)
そのシーンで、忘れられないセリフがありました。
 「さっき会ったばかりなのに、一人になって思い返すと、
  どうしても君の顔が浮かんで来ないんだ。なぜか。なぜだろう。」
恋をした時、こういうことってありませんか?
幸せであるほど相手の顔が鮮明に思い出せない、不思議なじれったい感覚。
あー『哀愁』だぁ、よく思ったもんです。

ところが、調べてみたらこのセリフ、なんと全然違ってたっ!
単純に、夕べ初めて会った君の顔が思い出せなくて劇場まで確かめに来た、
ってことしか言ってなかった…あんびりーばぼー!
どこでどうなってこんな風に思い込んじゃったのでしょう?!
おっかしいなぁ???
確かにロバート・テイラーはそう言ってたハズなんだけど??えー??
これはもう、何十年ぶりに本編を見て確かめるしかない。
でもさでもさ、あたしの勘違いの方がロマンチックでない?
なーんだか狐につままれたような感じです(笑)。

いやーしかしスターダストから思いがけず、
色んなことを思い出させてもらえました。
今、稽古で煮詰まっているので、思いっきりの現実逃避…いやマジで、
あまりの腑甲斐なさから、ついに頭痛が普通の状態になってたのが、
なんかちょっとユルめられた感じで、本当によい気分転換になりました。
ちーさまありがとうございました!

今度の旅は久しぶりに大阪に行くから、ビリケン手に入れて来ようかなぁ。
暮れの年忘れビデオ観賞会は『哀愁』で、久々に紅涙を絞ろうと思いマス。
みなさまも、ぜひ!
クラッシック名画のみが持つ、忘我の醍醐味を味わってみて下さい。

              *  *  *
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by rosegardenbel | 2005-10-23 00:00 | ラ・ヴィータ・ローザ

言葉。ことば。こだま。

              *  *  *

ボロボロ、いや、カサカサ、いや、ヒリヒリ、うーん、ジリジリ、…か?
なんてーか、心が。
稽古に進歩がない。自分の馬鹿さ加減を嫌というほど知らされる毎日。
上からも下からもダメダメダメダメの嵐。しかも無言の嵐。
言葉にしない分だけ余計に肌身に突き刺さってくる、ちょっとした軽蔑。

結果は性急に求められ、待ちは敗北でしかない現場。
得手不得手なんて、何の許しにもならないわけで。
そうすると一番肝心なモノをつい手放してしまう。
楽しむこと。
楽しくないんだ、誰かの為か自分を整える為にやる事なんて、楽しくない。
楽しくない事はやっちゃダメだ。
楽しくなるコトを、血ヘド吐いて探し続けるのだ。
ダメダメの嵐が真後ろに迫っていても、狂ったように楽しくなれる事だけに向かうのだ。
ある意味、馬耳東風。大手を振って厚顔無恥。
これってあたしが最も嫌ってきたもの。
うん…そっかあ…。

「赤ちゃんになれ」
知念さんが下さった言葉が、ふいっとよぎる。

そう、今日はもう一つ、思わぬ言葉と巡りあった。
歌人、林あまりさんからの原稿。
制作の落合さんが黙って見せてくれた、送られてきたばかりのファックス原稿は、
パンフレットの為に書いて下さった文章だった。
その、目を見張る美しい文字の流れの中に、あたしの事が書かれていた。
'89年の 『新劇』 でも、林さんはあたしの事に触れて下さっていた。
代表作がないと言われ続け、色んなものに負けて来た自分に、
林さんの言葉は秘かな自負心を持たせて下さった。
それはあくまで、小さなひとときの煌めきだと戒めながら、
あたしの中では誰にも見せない勲章となってピカピカして来た。
たとえ林さんの中で、すでに消えてしまっている事だったとしても、
あたしにはその事実があったというだけでよかった。
それが…
16年が経った今なお、林さんはずっと心にあたしを生かして下さっていた。
なんという…なんという…
涙が吹き出して止められなかった。
こういう気持ちになったのは、生まれて初めてだった。

いい言葉。いやな言葉。
みんな想いを紡ぐもの。
いろんな言葉が、今、あたしの明日の前で溢れている。

 いつまでたっても来ぬ人と 死んだ人とはおなじこと

林さんの 『夜桜お七』 のこのフレーズが、頭の中でずっとこだましている。

              *  *  *
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by rosegardenbel | 2005-10-20 00:00 | ラ・ヴィータ・ローザ

豪華客船!

              *  *  *

昨日は朝からパンフレット用写真撮影、稽古、パンフレット用の座談会と、
盛り沢山な一日でありました。
撮影は総勢18名の個人プロフィールのリニューアルも兼ねていたので、
けっこうな手間で、カメラマンさんもお疲れだったと思います。
ありがとうございました!

笑っちゃったのが、いよいよの集合写真。
水玉状にペンキの剥げた黒い壁に、
某国営放送で職人する大迫径持参のこだわりのブルーバックがピシーッと張られ、
稽古場は立派なフォトスタジオへと変身!
大海原のように床まで広がったその藍より青い布の上に、冬支度に身を包んだ面々が、
旅行鞄片手にゾロゾロと集合。
またなんでブルーバックかというと、リブレ特種工作班長でもある大橋の発案で、
港の写真との合成をすることになったからなのです。
なんたってリブレ船ですから、旅と言えば船。
飛行機の芝居だけど、船。だはは。

ゆえに気分は、今まさに豪華客船に乗り込まんとするセレブな自分!
なハズなのに、
テスト写真を見ると、なんかヘン。。。
カメラ目線で全員笑顔なのがミョ~な一体感を醸し出し、
このままマスゲームに入りそうな“北”っぽい雰囲気が。。。なんでだよー?!
よし、みんな好きな方向を見るんだ!
伊東センセイの指令で、みんな渾身はしっ!とカメラに収まったのに、
今度は、ただ間違って撮られちゃッたみたいにしか見えない。
く、くっそお~、むずかしいゼ。

じゃあ今度はカメラ目線で笑顔ナシ、キリッと行こう!
きりっ!
としたらなんだかヤケに決然となりすぎ、その風情には悲愴感すら漂い…。
この感じ、なんか見た事あるよね?なんだっけ?・・・あ!
・・・ブラジル移民だ。
そーなのよぉ、覚悟の決意と共に、これから新天地求めて、
海の真裏の遠いお国へ移住しようとする人々にしか見えないいいいーっ!
なででしか?
なであたしたちにはどーしても、せーかつかんがつきまとうのでせう?

た、たぶんバックに豪華客船が入ったら、移民には見えないよ、き、きっと、うん。。。よし、
よしとしよう、よしとする!
ホントなのかぁ?
この、リブレ(ブラジル移民団)船集合写真をご覧になりたい方は、パンフレットを買ってください。
敗因は、
和服にカンカン帽の大迫さんとサラリーマンの通勤にしか見えないコート姿の橋本さんにあると、
あたしは思います。お、おほほ。
どんな写真になるんだろお…早く笑いたい、いやいや見たいよっ。

稽古はラストシーンまで行きました。
赤い鳥は、後ろへ行くほど心も体も力を使うようになってる芝居です。
演じ手にとっては楽に演れる処なんか一ケ所もない、根詰め芝居です。
でもね、本当に渾身の力を出さないと、お客様には届かないから、
そこで調整なんかしちゃいけないのです。
余裕のあるところでやってる演者は沈みます。
だから1度やるとヘロヘロになります。
演出も分かっていて、こまめに5分休憩を入れてくれる珍しい稽古スタイルです。

まだまだだなぁ~。ぜんっぜん、まだまだ!
これからが本当の闘いなんだよな。
毎回思うけど、ここから、役と演じ手の真実の融合に向きあって行くのだ。
エモーション、エモーション。。。
パッションなんて生温いものではなく。
疲れてる場合じゃなく。
エモーション、エモーション。。。
この芝居をやるといつも、命削ってるよなって思う。
そうして、命をもらってると、感じます。

              *  *  *
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by rosegardenbel | 2005-10-17 00:00 | ラ・ヴィータ・ローザ

天使のラッパ

              *  *  *

嗚呼、気が付けば10日以上も日記をつけられず…
落ち着かない日々でした~、書きたいことは山のようにあったのだけど、
押し寄せる予定に流されて行く~状態で、
散漫とこぼれ落ちる集中力はさながら落ち葉のよう。。。(*0*)
そんな処からワタクシ、秋の訪れを実感しておりました。わはは。

そろそろ皆さまのお手許に『赤い鳥逃げた…2005』のご案内が参っている事と思います。
忙事ナンバー1がコレでございました。
再演の強みで、過去最速の超特急便を発信する事が出来たわけですが、
なにせ赤い鳥なので一般予約の出足が早くて早くて、
急がないと自分の大事なお客様のお席がなくなっちゃうよっ、と焦ったことったらば!
こんな早よから送られてもっ、
という同業者の皆さまには追々よいタイミングを計りつつのお届け時期を窺っておりマス。うふ。
来てネ。

で、そんな中で急遽松本へも行って来ました。
あたしがその地方の出身ということで、
地元タブロイド紙“週刊まつもと”さんが取材して下さる事になったのです。
劇場下見に行くスタッフに連れられて“あずさ6号”に乗り込む、
朝っぱらから一人だけ化粧の濃い~玄人な女。。。だ、だって、
写真撮るからキレイにして来なさいよっ!
と、制作からわざわざメール指令をもらったのですもの。
それというのも、稽古が積んで来るこの時期は、
いつにも増してキタナイ姿で平気で電車にも乗っているので、
よもやリョーコ、そのまんま行くなよ?!と危惧されたのでありました。
ヤバかったです。
指令もらわなければ危うくのへ~っと行っちゃうとこでしタこれでも女優。
だはははは。

しかしっ、
現地に付いて、見本として見せていただいた新聞の「ココに載りますから」というご説明のココ、
ココって…ここぉ?!ひょっ、ひょおしぃっ?!
でえええ~っ!
…てっきり中のページの隅っこかと思ってたんです。
表紙です。カラーです。しかもババン!と紙面いっぱいいっぱいです。
松本には、昔の知り合いも大勢います。
その頃の人たちにはみんな、あたしはスレンダーだとインプットされてます。
しかるに、このデブ体…地元中の人にお披露目してしまうのでしね。。。
ほよほよほよ。。。自分が悪い。そうっ!悪いのはあたしよっ。
開き直ってニパニパ笑いまくって来ました。引きつってたけどとほほ。
一番ビックリするのはウチの親だろーなー…ごめんなはい。
父上母上がチョット目を放した隙に、こんなに育ってしまいました。
でも、頃は新ソバの季節っ。
そこは抜かりなく、久々に本物の生蕎麦をガッツリペロッといただいて参りました。
美味しかった~ん♪(←反省の色ナシ)

しかしこの日帰りの移動は思いのほか疲れたカモ。。。
翌日から昼夜稽古に入り、本格的に自分のシーンの稽古が始まったというタイミングも重なり、
おばちゃんけっこうヘロヘロよ~。
普段の倍眠れるようになったのはよいのだけど、体も頭もいま一つハッキリしません。
うう、パワーが欲しい。
そんな稽古場通いの中で、あ、今日もまだ咲いてた!と心をなごませてくれるのが“天使のラッパ”。


9月の終り頃から、橋のたもとに差し掛かる度に、
なんとも言えぬ官能的な甘~い芳香がフワ~っと漂って来て、
道行く人々も、なんの匂い???と不思議そうにしていたのです。
あたしはどうしても突き止めたくなって、クンクンと辿ってみたら、
この花に行き当たったのでした。
い~い匂~い。。。
これ、写真ではよくわからないかもしれないけど、思わず、うそ~?!
と笑っちゃうぐらいデカイ花です。直径で20センチぐらいあるの。
夕顔ぉ?じゃないよなぁ、なんだろう。
思いッくそ調べました例によって。
したらば、どうやらこれは“エンゼルトランペット”
日本名:曼荼羅華(マンダラゲ…ってホントにこんな名前の花があった!)。
朝鮮朝顔の一種なのかな、ハワイとかにもいる植物らしいです。
花の形からこんな名前が付けられて、最近ひそかに人気らしい。

いつから植えられてたかなぁ~、今までぜんぜん気付かなかった、こんな主張の強い花なのに。
とっても根っこを張るので、土の多い処でないと大きくなれないんだって。
庭があったらなぁ~、真っ先に植えたいなぁ~。
秋になると家中がこんな香に包まれたら、素敵だなぁ~。
曼荼羅華というぐらいなので、元々は東南アジアに咲くお釈迦様がらみの花なんだそうです。
お釈迦様の食べ物って香りなんだよね(だからお線香を炊くのネ)、
こんなに素晴らしい香りじゃあ、確かに選ばれし極楽のお華ダ。
最近は寒くなって、もうあんまり匂わなくなってきちゃったけど、
それでもラッパは相変わらず元気に開いてます。

本当は、今月頭にはこのお花の紹介をしたかったから、
お願い、時間ができるまで咲いててね~!って、
毎日毎日ヒヤヒヤしながら前を通ってた。ヨカッタ間に合って。

今日も会えるかな~♪

              *  *  *
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by rosegardenbel | 2005-10-13 00:00 | ラ・ヴィータ・ローザ
              *  *  *
                             
今週から赤い鳥は、いよいよフルメンバーでの稽古に入りました。
客演から戻ってきた竹下が、本番の熱覚めやらぬ役者の本能そのままを持ち込んでくれたので、
稽古場にも急にエンジンがかかった感じです。
その竹下の、席を暖めるどころじゃないいきなりの登板から始まり、
ジョーカー“片桐”、スペードのエース“広報部部長 東”の登場と、
“掴みはオッケー暴れたモン勝ちシーン”(笑)が機関銃のように連発されています。
最近のウチの芝居ではすっかり忘れていたケレン味たっぷりの場面の連続は、まさしく、
「ようこそ『赤い鳥』の世界へ!」
みんな好き放題ヤルヤル。
人のキャラとカブろうが独りだけ浮こうが、お構いなしの得手勝手に繰り広げられるのは、
目くるめくテンション!パッション!エモーション!の響宴
…こうなるともう誰にも止められません(笑)。
お芝居ってこういうもんなんだよなぁ。
久々に実感しましタ。

そーなのよねー、ウチの芝居って、なんてーかこーゆー“ゴッタ煮”感が特色だったのよね…
有り得ない事を納得させる力ワザの竜巻き、そのぶつかり合いって感じ?
昨今の小劇場界で流行っている“ありふれた日常の一断面”みたいな芝居とは思いっくそタイマン張る、
スーパー・アンチ・リアリズムってな世界なワケですよ。
晴れの舞台、という演劇の持つ本質的な意味のひとつが明白にある、
派手でエネルギッシュで、ケレンのカタルシスに溢れた世界、
そういうものから、離風霊船は始まっていたワケよね~もともと。
手前味噌かつ今更ながら、パワーのある芝居だぁとつくづく思ったデス。

『リボンの岸。』『甘い生活』と、真逆の世界を旅してみて、自分をよくよく検証することが出来た分、
カルチャーショック的混乱状態にも陥って、正直“かなりヤバイ”状態がけっこう続いて苦しい夏でした。
それが、今この時点で“離風霊船の原点”に連れて行かれたことで、
なんか、自分の再生を感じられてる、というか、
悩みが深かっただけ物がよく見えるようになってきてるみたい、です。
うん、芝居ってすごく俗っぽくっていいんだ。
別にウチ、ゲージュツやってるわけじゃないし。
一番マズイのは迷いがあること、なんだよな。

そう、昨日初めて自分のシーンの台本稽古になりました。
20年前の、若さの勢い溢れる台本。。。
最近やっている芝居より格段に演劇的で、いつにも増して表現の飛躍を求められ、ちょっと混乱しています。
芝居臭い芝居に、恐怖とも言えるアレルギーを持つようになっている今、
できる限りそこには行きたくなくて、だけど、普通にやったらこれが一番自然だろうという処でやると、
このホンのな~んにも見えて来ない。
のぺーっ。
それだけ。
つまらない。信じられないほどつまらない。何にも生まれて来ない。
やっべー・・・生だけじゃ出来ない。この芝居。
手法で混乱してるばやいじゃないカモ…。

このホンには確固とした世界が在って、役者の生理うんぬんなんて知ったこっちゃねえ、って、
書き手からケンカ売られてる(笑)。
ぜんぜん親切じゃない。
それがね、意外なことに気持ちイイ。
セリフに生理が追い付かないヤツはただ置いていかれるだけ。
世界はそんな事には全く影響されず、どんどん進んで行く。
腹立たしいほど骨の太い芝居。
…気持ちイイ!
やっぱイイ。この芝居。佳いホンに埋没できる幸せ。嗚呼、なんたる至福。
あらためて大橋泰彦という作家の力を見せつけられましたね。
チョット悔しい。これまた手前味噌だけど。

今回は、長年一緒にいながら組んだことがなかったメンバーとの共演です。
シルバーコンビ(笑)の小林さんとだったら、
ペアとしての拠り所が、もはやことさら意識する事もないまでに確立されているのだけれど、
今回はそのベース自体を作るところから始めなければならない。
新鮮です。自分の芝居作りも原点に戻った感じ。
それだけに歩みは遅いでしょうけどね、一番ピッタリ共有できる地点を丁寧に探って行きたいです。

俗っぽく演りたいんですけどね~、絶対キレイにはしたくない。
毒の華、って言うかなぁ。
まあ今回は役のポジション的に、どのぐらい毒気を出せるものか、
他に毒々しい人物がいっぱい出てるだけに(笑)バランスからいっても判断が難しいのだけれども、
なればこそ塗れたいんですねー。
俗裏返って聖となるって処まで行ければ、一番の理想なんだろうな。
循環したいなあ~、客席と。
俗っぽさの快感ってそこにこそあると思うのです。
マスターベーションじゃなくって循環極まって、お互い気持ちイイ~!って同じ上~の方にイッちゃって、
それで一体感が生まれるワケだから、ねぇ、限りなく本能的な求め合いなワケで…いいじゃないですか(笑)。
そうやってラストシーンに繋がって行く。
ドラマチックです。

あたし、やっぱこういう芝居好きだ。
よかった。安心した(笑)。
然るに、闘いは続くのだ~。っとに頑張れよあたしぃー!
道ははじまったばかりです。

              *  *  *






                           
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by rosegardenbel | 2005-10-01 00:00 | ラ・ヴィータ・ローザ