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劇団離風霊船 山岸諒子の徒然をつづる雑感ノート 「ラ・ヴィータ・ローザ」です


by rosegardenbel
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入る船、出る船

              *  *  *
   『クロスゼロ』終りましたネ~。
      大勢の皆様に起こし頂き、本当にありがとうございました。

終ってしまえば、もっとじっくり掘り下げたかったホンでしたね~。
見せ方の方向には、もっと色んな可能性があったと思う。
知念さんはもっとサイコを楽しんでいいんじゃない?と仰ってた。
多くのご同業からも、もっとホンの世界を信じて暴れて大丈夫、
と言われたし、休み中のメンバーからは、
もっとギリギリまで笑えるホラーでもイケたかもね、とも言われたし。
演ってる側も、ネタじゃなくてもっと芝居自体を膨らませられたよなー、
とつくづく思う。
ホントに、もっともっともっと…ばっかり。
この“もっと”が、作り手を次へと進ませるのですね~。

掲示板にも書いたけど、沙織が真里子に取り憑いたシーンで、
あたしは、脱け殻になった瀬戸と翁川が座ったままクルクル回ってたら、
可っ笑しいだろーなー!と思っていて、
よくテレビの下に噛ませる回る円盤?アレを利用すればイケルんでない?
と、ぜひやりたかったんだけど、物理的に無理なことが分かって挫折…
マジ悔しかったゼ。

ホントは、翁川の口に突っ込んだハンカチも、あらぬ方向にピューって、
飛んでくハズだったんだけど、
----そんなことはリブレでは朝飯前なのだけど、
気付いてしまいました、あのシーン、全員出てた…
裏にいるのは大御所ふたりだけ。
肝心の特工班長おーはしさんは、神谷を浮かすので手一杯、
舞監の青ッチも、ドアと下駄箱のポルターガイストで手足一杯(笑)。
時間だけでなく人手も足りない芝居だったのねっ。

ウチってホントに労力第一の劇団だったのでした、ええ、理系ですから。
って、労力掛けないようにするのがホントの理系なんだけどね、あははー。
あーもっと色々仕掛けが出来たのになぁ、もったいなかったよっ!
ウチの部屋の芝居も、くらくらがずーっとあたしに乗っかってて、
お母ちゃんどんどん疲れちゃう“おんぶオバケ憑いてます編”
てのはどーよ?と提案してみたのだが、演出の意向に合わず却下。
くっそー、今から思えば全然成立してたじゃんっ、
提案する前に演ってみせればよかった悔しーっ。
まあ、それが実現してたら、今頃あたしは寝込んでたカモだけど(笑)

橋本-竹下コンビが、日々新ネタ暴走させてたのはいつものことですが、
楽日は松戸もネタ入れてましたね。
なんか、江頭や翁川に、自分のことを村上さんと呼ばせてたゾ。
ええ、目下世間をお騒がせ中の某村上氏に、似てる?オレ?
と自分で発見したのだそうで、やり逃げでフッてみたら場内爆笑、
モニターで聞いてた楽屋もバカウケ。
あんなに認められるのも本人不本意だったようですが、
(自分で持って来たクセに (笑) )
しかし、もはや俊ちゃんは村上某氏にしか見えなくなってしまったのは、
あたしだけではないと思いまーす。

そうそう、ご質問のキムキムのハンカチの謎、ね。
あれはぁ~、伏線のつもりで書いたんだけど別に何にもならなかった、
いわゆる一つの前世紀の遺物ってヤツでしょうか、
みんなも途中で気付いて、コレ、削ってもいいんじゃないスか?
と出たんだけども、おーはしさんが、
「ま、残っててもいっかなと思って」
「そっか…いっかいっか」
と、そのまま捨て置かれたというのが真相です。
スンマセンなんでもなくて。(- -;)
セリフを言う本人はどうやって処理してんのかなぁと思ったら、
斉藤にあげたものだったという設定で、エロを目指す新垣さん的には、
男たち全員とデキてる女でやってたので全然ノープロブレムですっ、
だそうでしタ。
あーよかった皆さんに引っ掛かってもらえて。
残した甲斐があったってもんだ。(それでいいのか本当に???)

小道具的には、今回はけっこうインパッシブルなミッションがあり、
ええ、チョイと苦労しましたです。
なにせ暗転10秒の中でのセットチェンジですから、
食器ひとつ取っても陶器・ガラスの類いは御法度。
絶対割れない、しかも見栄えがヘンじゃない上に安価なブツを探すのが、
もおーひと苦労で…。
今まで2人で分担していた製作と物品調達を全部1人でやるのは、
どーあっても無理なので、さすがに衣装班にも手伝ってもらいました。
そう、衣装&小道具班は今回の102号室チーム。
小道具造りという新鮮な領域で、あんでも好ぎにやっでいいがら、と、
その頃には日常でもすっかり訛りまくっていたお母ちゃんに言われて、
真里子と蓮実ちゃん、とても楽しんでやってくれて大助かりでした

小道具の場合、まず動きを妨げないかどうかが一番のポイントなのです。
軽すぎて暗転稼動のスピードで倒れそうなものは、
舞台班や特工班からゴッツイ蝶番だのでっかいネジだのを失敬して、
見えないところに仕込むわけです。
7ピースのチキンなんて、中味はペンチだったりして?(笑)
このポイントは、持ち道具だと一層留意を必要とするワケで。
ピザ屋のバッグも、外味を大矢に美しく作ってもらって、
小道具的にはそこからが勝負、竹下のピザを出す時の動きを観察して、
どこの部分が引っ掛かるかを見て、中をツルツルにテーピングします。
サラダの入った袋も、腕を抜きやすいように輪の大きさを変えます。
たかがそれだけのことだけど、役者に道具で滞りを起こさせるのがイヤで、
つい小細工をろうしてしまうのです。

笑ったのがビール。
こちらでは0.5%未満のノンアルコールビールを用意したのですが、
よりにもよって竹下と相川はリブレきっての下戸。
0.5%でも、呑めばまったく使い物にならなくなってしまうことが判明。
なんでこの二人にこんなシーンを。。。
ええ、なので中味は決して酔っぱらわないヒミツの飲み物を仕込みましタ。
ラベルにはあたしのこだわりが少々。
パソコンが使える世の中ってホント、便利~!
10年前だったら手描きでレタリングだもんねーぶるぶる。
 
本番は、紺のラインはカットして、天地に金の帯を巻きました。
見えてました?この名前。(^_^)v

ピザの箱にも、ちゃんとピザが入っていたのですヨ。
もちろんウソんコものだけど、一瞬見える可能性があったのでそれらしく。
けっこう美味しそうに出来たんで、もっと見えてもよかったナ。(笑)
でも、ホントに工夫したのは、どんなにバンバンやっても潰れない箱、
にすることだったんだけどね。
おかげさまでバラすのに苦労するほど、丈夫な出来でしタ。はは。

そのバラシが近づくにつれ、心が痛んだのがケーキの処理。
“人後に落ちない食のハンター”音響のヒトミちんからも、
「おいしそお~!」と御墨付きをもらえた紙のケーキは、
地味な野間さんの最後の時間を女の子らしく飾ってやりたくて、
愛情たっぷり手塩にかけた、あとりえやまぎしの作品なのだもの。
かといってウチに持って帰るのもまた淋しく、捨てるに捨てられず…うう。
そんな気持ちを知ってか知らずか、伊東センセイからナイッスな提案が!
「瀬戸にあげちゃえ」
そう、せとっちは楽の前日が誕生日だったのです。
飲み屋で、チョコパフェ頼んでいいヨと軽く流した日だったのですが(笑)
打ち上げに持ってったらイベントになるじゃん!
さすが、その背中はあの海老原さん。(←思えばこれも謎ゼリフ…)

しかるに打ち上げ会場では、大入りも配られ宴もたけなわとなった時間に、
指令を受けた翁川が秘密工作を開始。
こっそり灯のともされた、意味のない8本のろうそくを戴いて、
登場しました紙のケーキ。
一瞬本物だと思ったみんなは、中央に鎮座するチョコプレートの文字を見て
爆笑。
“Hppy Birthday!一美ちゃん”という金文字の、一美のところには、
せと と書かれたガムテープの切れッぱしがペタリ。
照明の川俣クンが、コレ結婚式のブーケみたいに今後使い回しに決定、
と言ったので、次に誕生日を迎える橋本は、ええーっ?!
学校公演の最中だけど、瀬戸クン、旅に持参していったら君はエライ!
よかったぁ~、オチが着いて。
瀬戸くん、両脇にリボンつければ帽子にもなるから。
大事にしてネん♪

今、この日記のピノッポさんを見ていて思ったんだけど、
帽子かぶってる。。。
空、飛んでる。。。
詩織は白い帽子がとても印象的だったでしョ?
そーして真里子は宙に浮いちゃったし…。
絵が出来たのは、ずーっと前なのに、
なぜだかこの芝居の象徴が二つも描かれていて、
なんかちょこっと、ゾックリきてしましました。
これまたホラーなオチ着いた感じ?だ、だはは…。


リブレは早くも学校公演が始まり、
ほとんどのメンバーが今日、まず東へと旅立って行きました。
第一弾は栃木-鳥取ツアー、長い旅の始まりです。
あたしはツアーメンバーからは卒業させてもらったので、
夕べみんなが通し稽古をしている間に、小道具のメンテと荷造りを終了、
(こっちでは叩いても壊れない薔薇造り…お願いーうまくいってねーっ)
今日からオフモードになりました。
雨が降って寒い。今頃は仕込みも終った時間かナ。
この旅は本当に大変な、プロとしての真価が問われる旅だけど、
みんな元気に、無事に頑張って来てね!

              *  *  *
by rosegardenbel | 2006-06-11 00:00 | ラ・ヴィータ・ローザ